薄紅 ― うすくれなゐ ―
すらかき飄乎
芸妓と女給 ー 新字新仮名 ー
行けない口かねと
仕方無しに
その流れるような
それが
その後は、
大口の取引があった或る紳商と一席を設けた折に来て
そのとき、主賓が
そして、その宴席以降、
噂は色々と聞こえてきた。
例の紳商に
それから一年ほどして、自分は悪友の一人に連れられて行ったカフェーで
驚いた。
こんなところに落ちぶれてしまったのかと思うといささか憐れなようにも思われた。
しかし、話をしてみると、その女給と
女給によれば、
出自が
それ以後、二人が顔を合わせたことは一度も無いのだという。
したがって、芸妓の
そういうものだろうか。血を分けた、しかも双子の姉に対する気持ちの示しようが、こうも寒々としたものになり得るのだろうか。
自分にはいささか
一人で来ることもあったし、友人と一緒のことも多かった。
芸妓だった姉と女給の妹。
見た目では自分には全く区別が付かない。声の調子も、仕草も、瓜二つ。
ただ、
一つ間違いないのは、自分が姉に対して抱いていた
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