私がNovel AI Diffusionを使わない理由

私はもの書きの他に絵描きも極まれにやっています。むしろ始めたのは絵描きの方が先です。

ただし、年に10個も創らないそれのほとんどはラフどまりで、きちんと描き上げるものは1,2個であります。なので一向に人様に褒めていただけるものは生み出せません。


これは本当にやりたいことの代わりに行っていることです。ゆえに綺麗な絵が描けないことはあまり気にしないと口では言いますがしかし、やるからには上達したいし人に認められたいと思う欲求があるのも本音です。


そこで目に止まるのが昨今、業界を超えて大嵐風のごとく時代を引きずり回しているイラストAIです。

特にNovel AI Diffusionという、大災害級のイラスト作成AI運用サービスが目に耳に刺さってきます。


これはイラストレーション作成の産業構造を破壊するに足る能力を十分に持っていることが一見して分かる、膨大な力を潜在させたツールです。

それは現在から現在以降の未来に渡るまで様々な問題を発生させることになる起点である事が自明であるのと同時、大きな福音をもたらす可能性を持っています。


例えば、両の手それぞれになにがしかの問題があって、筆もキーボードも十全には使うことが出来ず、生活を優先しなければいけない以上、決して趣味を一定の技量に到達させられない、そのような人にとってはまさに技術の進化による恩恵となり得るでしょう。


今の段階ですら、私は一介の創作者になる夢想を抱いてしまうほどには期待してしまっています。


でも、私はNovelAIを使っていません。


何故?

教師データとして合法的に他作を無断使用する倫理的問題?

AIの機能性の完成度に満足していないから?

あるいは時代の変化を認めたくない根拠のない感情?

違う。


私がイラストAIを使わない訳。それは。


ドル高です。


イラストAIがサブカルチャーを破壊している頃、経済界ではもっと現実的に身近でドル高円安が庶民の生活を困窮させて来ています。

一時、1ドル150円代まで跳ね上がった経済変動は、単純な物価高となって我々を殴っております。

この状態では、いくら月額10ドルといえども趣味にお金を掛ける事が出来づらい。


はい、なんですか?

仮に1ドル100円までおりてもたった500円ごときの差ではないかですと?

その500円で安くて固くて匂いがきついOGビーフを少量買うか、缶詰めの鯖を多めに買うか悩む人間が嗜好品へ回そうという、気力というか気概というか、とにかくそんな『ゆとり』がどうして持てましょうか。


まあ、今のは妄想で実際はパソコンを使ってエッセイを書く程度の生活に今のところ大きな問題はありません。

しかし、趣味に、しかも成果物の完成にタイムパフォーマンスを減らすという理由ではやはり有料サービスのイラストAIは使いたくないのが心情です。

無料のものを使用してもいいのですが、機能が低いそれに手を付けるくらいなら腹を括って1500円のAIを使った方が心理的満足度は大きいとも考えます。

ソシャゲで、無料石で天井を叩いてキャラ一人ようやく手にするより、5000円の課金で他のSSRと一緒にお目当てを入手する方がお得に感じる。そんな人間の浅ましい物欲が起こす錯覚のような愚考。


もう1000字も書いてしまたことですから本著は締めてしまいましょう。


本当に作りたいなら自分にとってそれがどんな意味の金額でも使え。使いたくないと思うなら本気ではないのだからやらなくていい。


要は、それだけのお話なのでしょう。



底道つかさ、2022/10、痛む右指が引きつる宵に。


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