私の幼馴染み 十年前、そして今
とろり。
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題名
私の幼馴染み 十年前、そして今
私の幼馴染みに前田海人(まえだかいと)という男子がいる。優柔不断で人見知り、何かを話す時にどもるダメな男子。そんな海人とは小学一年生からずっと同じクラスで六年になった今年もやっぱり同じクラスだった。
「みさ、き…お、おはよ、おなじクラスだ、ね」
掲示板に貼り出されているクラス名簿に私の名前を確認したのか、海人が私に言った。お前は外国人かと思うくらい流暢な日本語のカタコトだなと思ったが毎度のこと、私はしらっと返事をする。
「おはよ。あのクラス名簿、プリントミスで海人は一組だよ」
「え、……」
海人は惑う。私の冗談も毎度のこと。でも海人は毎度毎度だまされる。からかいがいのある男子。ちょっとカワイイ。
「うーそ。そんなんでだまされてたら、あんた生きていけないよ」
「ジョーダン、か、よ」
おいおい、カタコトが上手すぎて有名なバスケットボール選手のことかと思ったよ。
「冗談。てか、六年間一緒のクラスって普通有り得ないよ」
「しょうしか……」
真面目に答えなさんな。
「さ、教室に急ごっ」
「わ、かった」
教室に入るとバカ佐藤が「ヒューッ、ラブラブッ」とみんなに聞こえるように大声で言った。こいつとは一緒のクラスになりたくなかった……。みんなの視線を浴び少し恥ずかしくなったが、前にも同じようなことがあり、もう慣れっこ。
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