第4話
この世界は人間界と妖精界が裏表って感じで存在しているにゃ。基本的に人間は妖精が隣に居ても気付けにゃい。でも時々勘の良い人間やこちらと親和性の高いおさにゃい人間にゃんかは俺達が見えたりするにゃ。
逆に妖精は普通に人間が見えるにゃ。でも積極的に人間と関わる妖精はあまりいにゃい。人間は妖精を信じにゃいし、見える人間は共存してくれるよりも妖精を利用したり、虐待する場合が多いからだにゃ。
妖精の性質上、種類によっては人間に悪戯したり、人間を助けたりする者もいるんけど、それも気付かれにゃい様にこっそりするにゃ。そうやって人間と妖精の距離は保たれているんだにゃ。
でも、ある時そのバランスが崩れたにゃ。
醜い性悪小人のゴブリン、巨人族で人食いと恐れられるフォモール、フォモールと似た性質のトロールやオーガ、人間の男に憑り付くリャナンシー、人間の女性を口説くだけ口説いて姿を消すガンコナ―、野生の若い牡馬の姿でやって来て人を操ったり連れ去ったりするプーカ、機械に悪戯をするグレムリン、山羊の様に曲がった二本角を持つ邪悪な存在バイコーン、黒い毛むくじゃらの巨大なバグベア、老婆の姿をした魔女の様な性質を持つハッグ……色んな国の色んな悪性の妖精が、自分達の領域から出て積極的に人間界に悪さをする様ににゃったのにゃ。
最初は自分達の存在する国で暴れていたにゃ。だから妖精女王のティターニアと妖精王のオーベロンは魔法と人語を操れる俺達ケット・シーに命じたのにゃ。
『妖精や魔法と親和性の高い人間の子供と協力し、人間界で悪さをする悪性の妖精達を改心させよ』
と。
人間はおさにゃければおさにゃい程、妖精や魔法との親和性が高いにゃ。でも赤ん坊は戦わせられにゃい。それで俺達は相談して十歳から十三歳の人間に協力を要請する事にしたにゃ。
でもにゃかにゃか悪性の妖精の戦力は衰えず、奴らは次第に他国にまで手を伸ばし始めたにゃ。どうも国を超えて奴らは結託しているらしく、普段他国どころか他種族ともあまり交流しなにゃい善性の妖精達は後手後手。
そうしている内にこの日本にも奴らは侵入したのにゃ。だから俺達も手分けして日本の各地に向かい、日本の子供達に合わせたスタイルで協力してもらって悪性の妖精をやっつける事にしたにゃ。
それが魔法少女。
日本の子供達は大別して男の子が変身ヒーローに、女の子が妖精と契約して変身する魔法少女に憧れるにゃ。そして調べたところ大抵の場合、男の子より女の子の方が魔法との親和性が高かったのにゃ。それで各地で特に魔法少女としての素質が高い少女を魔法で発見して、契約と云う形で協力してもらって悪性の妖精と戦ってもらうと云うのが俺達の目的ににゃったにゃ。
ちなみに俺達が自分で戦わにゃいのは、素質のある人間の子供の方が俺達より強い力を発揮出来るからだにゃ。それに俺達は体が小さいから、サポートに回って人間に戦ってもらう方が効率が良いにゃ。
そして夢ちゃんは、この近隣で一番強い素質を持つにゃ。だからお願いだにゃ。夢ちゃんが目覚めるまでこの世界を守る為にも、君に協力して欲しいのにゃ!
本来肉体と魂それぞれに素質があって、両方を合わせてこそ強い力を発揮出来るにゃ。そして君の魂はどうしてかおとにゃにゃのに夢ちゃんの魂と同等の素質があるにゃ。それにその夢ちゃんの肉体が持つ素質が合わされば向かうところ敵にゃしにゃのにゃ!
一先ず夢ちゃんが目覚めるまでだけで良いにゃ。契約は魂とするものだから、どっちにしろ夢ちゃんが目覚めたら再契約しにゃきゃだし……夢ちゃんが目を覚ますのがいつになるかは分からにゃいけど……頼むにゃ! この通り!!
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