風神様のお戯れ~TS神様が正体隠してダンジョンで遊んだり、百合ハーレムも作っちゃいます~

くーねるでぶる(戒め)

第1話 独白 

 【お知らせ】

 本編は2話からになります。1話は飛ばして頂いても構いません。

 拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。



 ◇



「うーん……ヒマだ」


 何も無い白い空間で、私は呟く。


 神様ってヒマだ。いや、ちゃんとやろうと思えば仕事は山ほどある。私はこれでも風の神だからね、世界中の風を管理しているのだ。私がやろうと思えば、人々を苦しめる嵐などすぐに治まるし、日照りに苦しむ地方に雨雲を運んでやることもできる。


 だが、風は私がふーふー吹いて起こしているものではない。この世界のルールに従って自然に吹いているものだ。その自然の流れを一時の感情で歪めるのは、後々に大きな問題を起こす。たしかバタフライ効果といったか?アジアで蝶の羽ばたきが起こした風が、アメリカの西海岸に届く頃には大きな嵐になっているというアレだ。ほんのちょっとの変化が、後に大きな変化となって現れる。




 これでも私は昔は勤勉な神だったのだよ?災害にならないように風を調節し、人々の願いに応え、人々の望むように風を操ったりもした。


 まさに私の黄金期と言って良いだろう。私は人々の為に風を操り、人々は私への信仰を厚くしていった。そのおかげで、私は更に強力な力を得て、更に強力に人々の為に風を操った。まさにwin-winの関係だ。


 私は調子に乗ってしまったのだろう。その結果、下界に地獄を創ってしまった。


 私が人々の為に良かれと思って風に少し手を加えたら、それが後に異常気象を起こす原因となってしまったことがある。


 異常気象を治すなど容易い事だ。その原因を取り除いたら、更に大きな災害となって返ってきた。


 その災害の芽を摘めば、更に大きな天変地異となって返ってくる。まさに負の連鎖に陥ってしまったのだ。


 人々の為に良かれと思ってやった事なのに、その結果、余計に人を苦しませてしまったなんてことは数え切れないほど経験してきた。


 私は1000年ほどかけてやっと覚ったよ。何もしないことが一番だと。風は吹くがままに、自然に任せるのが一番いい。




 そんなこんなで、私は神としての仕事を放棄した。放棄してみるとすっごいヒマだった。此処では下界の様子を眺める以外やることが無い。


 そんなある日、あれは1000年位前かな?ある事を思いつく。肉の体を作り、人間として下界で暮らすという遊びだ。代わり映えのしない毎日に飽き飽きしていたんだね。

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