第4話 私立ムーズル魔法学校へ!


数日後、一樺は新品の制服を身にまとって鏡の前に立っていた。頬を軽くパチッと叩けば「よし!」と呟き一樺はリビングへと向かった。


「おはよう一樺。制服似合っているよ」

「本当に。よく似合っているわ」

「パパ、ママおはよう。ありがとうアンナさんに今度お礼を言わなきゃ!」といったやり取りをしたあと母は少し涙ぐんだ。「入学式が終わったらもう入寮だなんて……寂しくなるわね」と告げればそっと一樺を抱き締めた。一樺は笑みを浮かべ「泣かないでママ。夏休みとかには帰ってくるから」と告げて軽く抱きしめ返した。すると「一樺。そろそろ時間だよ」と父の声に一樺は軽く頷いた。「そうね……ほら一樺。忘れ物はない?」心配そうに母が問いかければ一樺は柔らかな笑みを浮かべながら「大丈夫だよ」と告げて玄関へと向かった。


「じゃあ……パパ、ママ。行ってくるね」

「あぁ。身体に気をつけて。」

「行ってらっしゃい私達の愛しい子。頑張ってね」とやり取りをしたあと一樺は頷き玄関のドアを開けた。



外はまるで絵に描いたような青空が広がっていた。一樺は笑みを浮かべ「いい天気……!」と告げたあと早速詠唱を始めた。『美しき風の女王エニスレアよ今ここに。我の道を示し我を導きたまえーリウィアンー』 一樺がそっと呟けば辺りに風が舞い上がり一樺の身体を包み込んだ。




数秒後、目を開けば一樺は校門の前に立っていた。「ここが……私立ムーズル魔法学校……」

学校を見つめながら一樺が呟けばふわりと風が吹き一樺の金色の髪を撫でれば一樺はにこりと笑みを浮かべながらしっかりとした足取りで1歩。校門へと足を踏み入れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る