虚偽
天原陽太_ひー
壱話-不思議な少年
キーン コーン カーン コーン――
「んじゃな〜、
「うん、また明日。」
やっぱり、目が
高校2年生、まだまだ
「ねぇ……
「誰って…………っ!?」
変な声だな、なんて思っては。声をかけられた後ろを振り向くとそこには目玉が無く、血を流し、"この世の
やばい、やばい!何だよあいつ、目が無かったぞ!?
「……うわっ!?」
息を切らし、怪物から逃げている泰斗の足がもつれる。覚悟して目をギュッと
『
声変わりしたてなのか、少し
目を見開き驚いていると、その少年がこちらに視線を向けた。そしてしばらく見つめられると、チッと舌打ちをされる。
「こんな
そう、
主……?何のことだ、意味が分からない……。
彼が混乱している所にその少年が
「
付き人……憑き人???何だよこいつ。上から目線だし、取りあえず名前だけでも言っておくか……?
そんな事を考え、泰斗の目の前に立っている彼の目を見ると。尻もちをついたまま話し出し。
「っと……、俺は山口泰斗。あの~……憑き人って……?」
恐る恐るその肆谷と名乗る少年に聞くと、その少年は驚いたように目を見開き、しばらくして口を開いたかと思えば。
「御前……記憶が無いのか……?まぁ、良い。ついて来い。」
「……は? ぇ、ちょ待ってよ!」
いつの間にか駅に着いており、どこに行くのかと疑問に思うのも
「おまっ!切符は!? ――っ!?」
それに気付いた泰斗は、肆谷に伝えようと声を出すが。その瞬間、黒い
「どこ、ここ……。」
「……それも分からないのか。」
知っていて当然と言いたげな言い方をされて、更に困惑していると。一本の電車が来た。これなら分かる。チンチン電車、
「ほら、行くぞ。」
いつの間にか離されていた手首を
――気まずい。あれからずっと無言だ。なぜか手首は掴まれたままだし、話しかけられないし。いっその事逃げるか……?いや、無理だ。ここがどこかも分からない。取りあえず大人しくついて行くしか無いか……。
「降りるぞ。」
掴まれている手首を引っ張られ、気が乗らないまま電車を後にすると。今度は古いバス停に連れられた。しばらく周りを見ていた所。ここは古い村って所だろうか、
そんな事を考えている間にバスが到着し、少年は乗る
まずは容姿。さっき言った通り、黒髪に黄色の目をしている……まるで黒猫の様な見た目だ。そして次に年齢。背は自分よりは若干低く、服も学ランなので多分年下なのだろう。
――はぁ……移動にも疲れた。外を見ても山な為、ただ木があるだけ。正直飽きた。そんな事を考えて
「ついて来い。」
「あっ、うん……。」
さっきまでの連れ方はせず、一つ言葉をこぼし。そして一人降りて行く。泰斗も彼に続いて降りると、そこは
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