私の推しは尊死する程可愛いが私は至って普通(本人はそう思っている)
呆然と固まってる私に、昔からの悪友である
「お〜い。杏奈。大丈夫か?」
恭子がそう言ってもしばらく返事を返さない私。そして、ようやく脳が回って色々回復してきた私は……
「はあぁぁぁぁ〜ーーーーー!!?もう!めっちゃ可愛すぎか!?あんな顔であんな事言われたら誰でもノックダウンだわ!?
恭子達が非常に冷めた眼差しで見つめている事なんか気にもとめずに、身体横にクネクネしながら悶絶する私。
「あぁ、うん。大丈夫じゃなかったわ。元から」
恭子からそんな言葉が聞こえてきている気がするが、今の私の頭の中には西村さんの最&高に可愛い姿と言葉しかない。
「ってか、杏ちゃん本当に「ARRY」好きだよねぇ〜」
「ちょっ!?バカ!?ハナハナ!それを言ったら……」
ハナハナがそう言ったのを、止めようするツッキー。だけど、もう遅い。その言葉だけは私の耳に入ってしまったのだから。
「あっ!!たり前でしょうッ!!!この世で「ARRY」に魅了されない人なんているはずがないでしょ!?どうやらまだ分かっていない貴方達にもう一度説明してあげるわ!!!」
「あぁ……始まった……もう……ハナハナのせいだからね……」
ユッキーが非難めいた視線をハナハナき向け、ハナハナは「ごめ〜ん!」と手を合わせて謝罪するが、私はそんな事はお構いなしに「ARRY」の魅力を説明していく。
「芸名「ARRY」!恐らくは本名の有紗から取ったものだと推察するわ!所属はN《にしむら》G《グループ》C《コーポレーション》芸能事務所!!誕生日は12月の12日で現在16歳!血液型は意外にも二面性があると言われているAB型!モデル!女優!歌手!どの方面でも活躍していて!関連する雑誌やCDに作品は爆売れする程の今超絶人気のタレントなのよッ!!!!」
「何でかしら……基本プロフィールを述べてるだけなのに思わず引いちゃうのわ……」
恭子が冷たい目をこちらに向けて私にそう言うが、私は構わず続けていく。
「あの!思わず触りたくなっちゃうゆるふわな髪!男も女も惑わせちゃうプルンとした唇!童顔のようで、幼さも大人っぽさも出るあの顔!更に!女性が羨むようなあの理想的なスタイル!!正にパーフェクトッッッ!!!!ただの「ARRY」オタクってだけの普通の地味女子高生である私とは月とスッポンどころか、月とミジンコぐらいの先があるわね!!」
「杏奈が普通の地味女子高生……ねぇ……」
「成績は常に学年トップ。運動神経は抜群で、去年の球技大会や体育祭でも先輩達やら運動部所属の子を圧倒する程の活躍すら見せる。身長は女子にしては高い172cm。腰は細くて胸は正に驚異的なサイズ。顔も100人中100人が美人と認める程。去年の文化祭では女子が彼女にしたいランキングでぶっちぎりのNo.1が地味で普通ねぇ……」
「本当に西村さんの事が無かったら完璧な美人さんよねぇ〜。杏ちゃんは」
雪月花トリオがごちゃごちゃと何か言っているが、どうでもいいわ。この子達にもっと「ARRY」の魅力を伝えないと……
「そこまでにしなさい。あんただって西村さん程じゃないけど忙しい人間でしょ」
続きを披露しようとする私の肩に手を置き、もう片方の手で時計を指す恭子。って!?うわぁ!?もうこんな時間!?急がないと今日は!?
「ごめん!!!この続きはまた明日!!!」
『いや、続きはもう結構です』
4人同時にそんな言葉をかけられるが、急いで行かないと行けない所がある私は、急いで教室を出て行った。
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