私の推しはクラスメイトで義妹!?
風間 シンヤ
私の推しはクラスメイト
突然だが、みんなは推しがいるだろうか?私、
ゆるふわな茶色味がかった綺麗な長い髪の毛!どちらかと言えば童顔なのだが、時折見せる大人っぽい表情はまさに女神と言っても過言ではない!おまけにスタイルも世の女性全てが羨むスタイルの良さ!おまけに全身から溢れている守ってあげたくなっちゃうオーラ!!もう!完璧としか言いようがありませんか!?みなさん!!どうですか!?
……コホン。失礼しました。少し興奮してしまいました。それだけ興奮してしまう程、私は「ARRY」を推し、彼女の活躍を一ファンとして応援し続けているのです。
さて、みなさんに質問です。もしも、みなさんと私と同じように推しがいて、その推しが同じ学校に通っていて、しかも同じクラスだったとしたどうしますか?
えっ?そんなラノベのような展開がある訳がない?私もそう考えていた時期がありました。でも…………
「ねぇねぇ!
「そうそう!俺ら!いいとこいっぱい知ってるからさ!」
はぁ……やれやれ……どうやらまた数人の軽薄な男子達が、彼女を必死でナンパしているようだ……全く……あれだけ懲らしめてやったのにまだ懲りてないのかしら?
「あ……あの……すみません……今日も仕事があって……」
男子達に囲まれた天使のような彼女。
そう。彼女こそ私がこの世で最も推している「ARRY」その人なのである!入学式に推しが一緒に出席した時は心臓が数秒止まりかけたのはいい思い出である。しかも、現在2年になって同じクラスだと判明した時は私は今日死ぬんじゃないかと思ったわ。マジで……
「えぇ〜!有紗ちゃん毎回それで断ってんじゃん!本当は仕事なんてないんじゃないの?」
「あの……本当に今日は仕事があって……それに夜に大事な用事もあって……」
「まぁまぁ!そんな仕事ばっかだと息詰まるしょ!たまには仕事サボってさぁ!俺らと気分転換しようよ!!」
そう言って軽薄男子の腕が西村さんに伸びようとした時、私の身体は瞬時に動き、その男子の腕をすぐに掴んで捻り上げた。
「いい加減にしなさい。西村さんが困ってるでしょう」
「いでででであぁぁ!!?上原あぁ!?」
「これ以上西村さんを困らせるようなら……分かってるわよね?」
私は自分でも分かるぐらい黒い笑みを浮かべ、男子達を睨みつける。私に睨まれた男子達は怯えた表情を浮かべ……
『すっ!すいませんでしたあぁぁぁ〜ーーーーー!!?』
そう言って全員逃げるようにその場から走り去って行った。やれやれ……こうなるのが分かっているだろうに、どうして毎回西村さんをナンパしようとするのか……理解に苦しむわぁ〜……
「あっ!あの!上原さん!また助けていただいてありがとうございます!!」
西村さんはそう言って私に頭を下げる。ペコリと頭を下げる姿すら可愛いなんて、もう私の推し反則すぎじゃない!?っと……いつまでも西村さん見惚れてたらダメだわ……返事を返さなきゃ……
「問題ないわ。あれぐらい。それよりも、仕事忙しいのよね?頑張ってね」
一貴方のファンとして末永く応援しているわ。という言葉を必死で飲み込んで私は西村さんにそう返答する。
「はい!ありがとうございます!あの……その……」
モジモジと頰を赤らめながら言いにくそうにして推しが可愛いすぎて最&高なんだが。
「いつも上原さんには助けていただいてるんで……今日は難しいんですけど……もし、私の予定が空いていたら、一緒に遊びに行きませんか?もちろん!いつも助けていただいてるお礼として私が奢らせていただきますから!!」
西村さんの言葉で一瞬で頭が真っ白になる私。
「あっ!お〜い!西村さん!マネジャーさんが校門前で待ってるよぉ!」
「あっ!もう時間が!?上原さん!その……もし良かったらさっき言った事考えておいてくださいね!」
クラスメイトの女子の言葉に、西村さんは慌てた様子で鞄を手に取り、私に最後にそう声をかけて走り去って行った。
だが、私は先程の西村さんのお誘いの言葉で、嬉しさと動揺と興奮で頭が真っ白になり、呆然と立ち尽くしていた……
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