第11話 至福な天国
「……あぁ、ワードマン様……また
あら〜、良い心地。......天国に
セルガさんは、うっすら意識が戻り、布団の温もりに気が付いた様だ。
ゆったりと、
わかるよー。もう、その布団からは出たくなくなりますよー。
猛は
うん、
『いいや、セルガ。私ではないよ』
「……はい~(むにゃむにゃ)」
セルガさんは、そのまま寝入ってしまう。
猛とワードマンと呼ばれた心霊体は、視線を交わしながら、互いに苦笑いをする。
『恐れ入る。ワードマンと
「私の世界に突然彼女が現れ、たしか
だから私はこの『異世界』では『勇者』なんでしょうね」
苦笑いしながら、思わず皮肉で答えてしまう。
『何ともはや。セルガが
タイ・クォーン教会・
「だいいちしゅごてんし?」
今度は『天使』て!
『はい。あー。タイ・クォーン教会で、
私はセルガの五代ほど前の先祖でして、
戦にて天に召されたのちに神より天使を任じられました』
彼は
「私は『
猛も、
『ほう。セルガは『当たり』の勇者様を、引いた様ですな』
「……『ハズレ』な『勇者』も居るのですか?」
思わず軽く眉をひそめ、
『えー、まぁ……』
ワードマンは、くるりと目玉を回し(失言したかな?)と、とまどう。
「勇者様!?」
いきなりセルガさんは、ガバッと
猛は
「エーショー、ターケシ勇者様!」
バサッ!
彼女は、心地良い羽布団を跳ね除け、猛に迫る。
「あっ!」
「おっと」
スッと踏み出した猛は、らくらく抱きとめる。
(たゆん♪)
……
「落ち着いて下さい、セル……」
ぼふん♪
猛の顔面は、(かなり)豊かなノーブラ
……天国…… いやいや!
「! ムグ、モガ!」
(
しかし豊かな(たゆん♪)に、口まで包まれて、言えない。
ぱん、ぱん、ぱん。
セルガさんの背中を、優しく『まいったタップ』する。
「うわぁあああぁん! 勇者様ぁ!」
しかしセルガさんは、『
「むぐぐぐ」
こまった。
天国だが、
『至福な天国』状態に、強い『
『これ! セルガ!』
ワードマンさんが、彼女を強く叱責する。
「ひゃい!」
サスガに元武人。部下を一括して、命ずる迫力がある。
やっとセルガの両手が、
彼女の手を離すのには、強い
「ぷはぁ。セルガさん、落ち着いて。詳しい話を聞かせて下さい」
やっと『天国』から、抜け出せた。
『民間』
そして『調停』には、
調停が上手く行けば、話し合いだけで紛争が収まる事態が多い。
地球の
「ふえぇ、勇者様ぁ!」
彼女は、また泣きくずれる。
十六歳でトップかぁ。トップは孤独だよね。
ずっと我慢していたのだろう。
やっと話を聞いてもらえそうな相手を見付けられ、思わず甘えて居る様だ。
『セルガ。しっかりしなさい。大事な山場なのですよ』
ワードマンさんは、セルガさんを強く
「まぁまぁ、ワードマンさん。私としては状況を把握したい。セルガさん。どうぞ、もう少し詳しく、話を聞かせていただけますか」
優しく微笑みながら、ワードマンの『
「えっ」
やっと彼女は、気が付いた様だ。
ワードマンと猛の間を、泣いた赤い目を左右にせわしなく動かし、交互に視線を彷徨わせる。
「……あの……」
彼女はワードマンを、すがる様に見つめる。
『うむ。彼は私の姿が見え、話が出来る。彼の
ワードマンさんは、満足そうに彼女に
「えええええ」
彼女の
うん?彼女は、何を
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