第28話 号泣

まえがき

1話と16話のエアルリーザ様の見た目のところに(金髪のロングヘアーの強気な赤い瞳にすっと通る鼻筋、男装が似合う顔立ち、格好いい女性。背筋を伸ばし堂々と立っている姿も良い。)と加えました。


ーーーーー


「あら?ラハートフ君、子供ができたのね。」

「……わかってて言ってますよね?セディスさん。」

「ラハートフ君の子供は優秀な子になるでしょうね。」


新たに旅のオトモの魔導書と契約をできちゃったから、エヴィンカル様に報告に来たら、エヴィンカル様の契約精霊のセディスさんがからかってきた。


「ニチカちゃん、ポチマル君、私のことはセディスと呼んでね。」

「「セディママ?」」


なぜそうなったっ?


「い、い……」

「……」


さすがにママは怒るか?


「い、い、いいわねっ!」

「いいのかよっ!」

「いいのよ。パパ。」

「誰がパパだよっ!」

「旦那様の方がいい?」

「いや、呼び方じゃないからっ!」

「じゃあラハートフ君はーと。」

「……助けてください、エヴィンカル様。」

「私以外と話すことなんてないから、嬉しいんだろう。」

「……そう言われましたら、何も言えません。」

「それにしても……五歳児で子供か。」

「エヴィンカル様っ!」

「見た目は五歳児なのに、その他は全くそうに見えないからな。」

「私はっ普通の五歳児ですっ!」

「「「いや、普通じゃない(わ。)(ですよ。)。」」」


エヴィンカル様、セディスさん、ユシルに総ツッコミされた……

魔力量は異常なのはわかってるけど……


旅のオトモの魔法をエヴィンカル様に報告した。


「今ラハートフが使っている部屋はラハートフの部屋にすることにした。ゲートの魔力座標を記録したままでいいぞ。」

「いいんですか?」

「あぁ、離れたとしても時々セディス達に会いに来てやってくれ。」

「わかりました。」

「あと報告をしてもらうのは私は嬉しい、が、魔導書の中身は説明しなくていい。それはラハートフの財産だ。攻撃性の高い魔導書なら切り札になる。」

「わかりました。」

「本当に五歳児か?」

「普通のーー」



旅のオトモが使えるようになって二週間が経った。

帰郷することになった。

出発の朝、オルヴェルド家、一人を除いた全員が第一城壁前まで見送りに来てくれた。

オルヴェルド家の皆の後ろには使用人、領兵さん達もいる。


「村に着いたら一度『ゲート』を使って来てくれ。」

「わかりました。」

「ラハートフ君、ありがとうね。」


夫人様方に抱き締められる。


「「「ラハートフ、これっ!」」」


エアルリーザ様の弟妹達にいちごを貰う。


「「「わたし(ぼく)達が成長させたの!道中皆で食べてっ!」」」

「ありがとう。」


つい撫でてしまった。

村人が貴族の子供を撫でるなんてっ!って恐る恐る子供達の両親様を見たが、微笑ましそうに見ていたからほっとした。

あいつがいたら喚いてたなと頭の片隅で少し思った。


「ラハートフ、魔法を教えてくれて、美味しいものをいっぱいくれて、ありがとう。」

「いえ。」嬉しさ上昇。

「私、ラハートフように強くなるわ。」


原作超え間違いなしだと思います。


「なれますとも。」

「私、お姉さんだし、すぐ追い付くんだから!」


お姉さんって数ヶ月だけど年上だからそう言ってるんだよね?

隠し子の件、誤解は解けているよね?


「あ、あと、これっ!」


エアルリーザ様が何かを両手で包んで突き出した。

エアルリーザ様の両手の下に両手を持っていく。

エアルリーザ様が手を開くと何かが俺の手に落ちてくる。

見ると、たぶんプチアースで作られたものだと思った。


「お守り。魔除けと旅の安全を願ってアースでフェンリルを作ったの。ラハートフのように上手くないけど……」


な、泣いて、泣いていいでしょうか?

おかしい、もう、視界がぼやけているんだが……


「家宝にっ、しますっ!」

「えっ?いや、上手くないものを家宝なんてものにしないでっ!恥ずかしい!」

「嫌ですっ!子供、孫、ひ孫にエアルリーザ様が俺の為に、俺の為に作っていただいたお守りなんだぞって語り継ぎますっ!」

「やめてっ!」

「嫌ですっ!」

「上手くいったものを渡すから、ね?」


エアルリーザ様の上目遣い、効果が抜群だっ!

だがっ断るっ!


「ぐっ……上手くいったものも家宝にします!」

「もぉ!馬鹿っ!ラハートフなんて、嫌いっ!」

「!?」


そこから俺の記憶はありません。


いつの間にか村に着いてました。

話を聞くと大声を出して泣き、泣き疲れて寝ている時に出発したそうだ。

起きたらぼーっとしていて、でもお守りは手離さず、ずーっと握っていて、食事は食べ物が宙を浮かびラハートフの口元に移動、口を開け、食べていたようだ。


全然記憶にありません。

たぶんユシル達だよな。

そして、今も手にお守りを持っている。


確かに上手くない。

フェンリルって言ったけど可愛いわんこだ。


俺はエアルリーザ様から貰った嬉しさマックスで相手のことを、エアルリーザ様のことを考えていなかった。

俺も渡すなら納得いくものを渡すもんな。

エアルリーザ様も本当はそうしたかっただろう。

時間がなく仕方なくこれを渡したんだろう。


エアルリーザ様からの初めての贈り物ということで本当は家宝にしたいけどっ、交換しよう……

……いや、その前にきらいといわれたおれにあたらしいものをつくってくれるんだろうか?

きらいなやつにつくらないよな……


「ラハートフ、エアルリーザ様は嫌いだから嫌いと言ったわけじゃないのよ。」

「???」

「でも、次あったらちゃんと謝るのよ。」

「……」


首を縦に振る。


「じゃあ村に着いたんだから、げーと?でオルヴェルド公爵様に報告に行ってきなさい。」

「……」


首を縦に振る。


あたらしくたてられたいえのまりょくざひょうをきろくして、『ゲート』でおるう"ぇるどこうしゃくけのしろにあるへやにいどうした。


ーーーーー

あとがき

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