第5話
部屋では毎日、高校受験のための勉強をしている。勉強しながらも、ついついノートに絵を描きたくなってきて、専用のノートをつくって、勉強の合間に絵を描いているのだけど、とても上手く、きれいに描けて、我ながらびっくりする。だいたい、もっぱら女子のエッチな絵を描くのだけれど、めっちゃ可愛く描けてる。昼間、太陽光の射し込む部屋だと、自分のことを見守ってくれてる気配は感じても、姿を見ることはない。それでも、勉強したり、絵を描いてるのを見守ってくれてはる気はする。夜になって、勉強を終えて、ふとんに入ってると、現れる。勉強机の椅子がキュキュッと音を立てるから、あっ、座ったのかなって思うと、笑えてくる。それから、教科書やノートがパラパラめくられていく。見てるんだなって思う。最近は、自分の描いた絵をよく見てくれてる気する。気に入ってくれてるのかな?好きなのかな?って思ってる。
しばらくすると、寝てる自分の上に乗っかかるような感じを受けるから、あっ、自分のそばに来てるなって思う。そうなると、自分は頭の中なのか、心の中なのか、よくわからないけど、どちらかというと、鼻の穴の中から入って来てるような感覚で、「芸術にもっと広がる高い意識を持て」というようなメッセージを自分に伝えてるのを感じる。ああ、芸術家なのか!女流作家なのか!って、いつも思いながら、芸術を好きになろう!でも、もともと好きなんやけど!って思ってる。そうやって、だいたい自分は眠りについて朝を迎える。
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