第2話
おばあちゃまからチラシを渡されて「この中から好きな机を選びなさい」って言われ、木製で、棚や引出しの多い、凄く立派な机を選んだら、すぐ部屋に届いて、全品5千円か1万円セールでも、やってたのかなあ~って思った。とても良き机やったから、勉強もはかどるし、勉強の合間に好きな絵とかも描けた。
昼間は机に向かって勉強してても、部屋にいる霊は静かなんやけど、ていうか気配は感じないんやけど、夜になって寝てると、しばらくして急に霊の存在を感じはじめる。机の上の教科書やノートが、パラパラとめくられていく音が聞こえて、最初は、なんだなんだ?って思って、ふとんをかぶって寝てたんだけど、何日かずっと、教科書やノートをめくる音が続くので、自分の勉強してるものを見たいのかなあ~って思った。落ち着いて高校受験の勉強をするためにと、両親が大阪の祖父母の家から中学に通うように決めたのに、ぶっちゃけ落ち着ける環境でもなかった。しばらくして、どうも古文と美術が好きなように思えてきた。古文と美術の教科書やノートをめくるのが好きなようなのだ。
中学から帰って、机に向かって勉強してても、古文の教科書を読んでると、妙にその描写が見えてくるような気がする。その時代を知らないのに、そこの景色が浮かんで来る。家のある場所が、京都と大阪の中間で、中学の先には藤原鎌足のお墓とされている阿武山古墳があったり、家の近くには今城塚古墳もあったり、色んな時代の色んな霊も存在してて、おかしくない場所なので、昔の景色も見えて来るのかなあ~って思った。部屋で古文を読んでると、机のそばで作者が「ああ、自分の書いたの読んでくれてはるゎ~」って嬉しそうに自分を見てる気がしてくる。あと、絵を描くのが好きなので、勉強の合間にノートに好きな絵を描いてると、それも見てくれてる気するし、なぜかとても上手く描けるのだ。
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