第13話 ドワーフってパリピでした?

  幾度も戦闘を繰り返した。しばらくすると遠くから光が見えた。何かの演出なのかとも思ったが、木々がなくなり、森が終わっていることに気がついた。思わず走り出す。リーナもとことことついてきた。



 森を抜けるとそこには、




➖リオート山➖




 山があった。高さは、量り知ることはできず、山の中腹からは雲がかかり全く見えなくなっている。すごく寒そうだ。寒いの苦手なんだよな…。

 確かこの辺に町があるはずなんだが…。あたりを見渡すと、不自然な看板が目に入った。




おいしさと健康

ドワーフの街はこちら




 とても大きな看板、キラキラかがやいている。そしてどこかでみたキャッチフレーズ。まぁいいか。でもドワーフってもっと寡黙で頑固なイメージだけど…。この看板から察するになんか変な感じがするな…。




➖ドワーフの街➖




 とりあえず、「こちら」の方に行ってみることにした。すると、岩山に削られて作られた大きな門。門の前にも街があり、開かれた門の扉の向こうにも街があった。

 ドワーフは、やはり背格好はリーナほどだが、体格は非常にがっしりしている。髭も生えていて、まさにドワーフ。しかし、その中身は独特であった。


「うぇーい!なにしてんのー?」

「お兄さん強そうだね?ウェーイ!」

「うちの武器やべーからみてかね?」


 なんか、飲み屋のキャッチみたい。ただ、露店に並ぶ武器の性能はかなり良さそうには見える。仕事は真面目なのか…。謎のギャップ。とりあえず、武器屋を紹介してもらおう。


「すみませんが、1番いい武器屋をご存知ですか?」



「一番いい武器屋はあれっしょ?」

「ブルーノじゃね?あそこはやべぇよ」

「それな!」



「ありがとうございます。」



「ウェーイ!」



 すげー、パリピだけどいいやつだな、ドワーフ。これならこれでいいかもしれない。何人かに1人は、小さな酒樽や木でできたジョッキ?のようなものを持っているのが、なぜかパリピ感を増させるのはドワーフの態度がなせるのだろうか。とりあえず、歓迎されないより、歓迎されているのでよかった。



➖ブルーノ武器防具店➖


おー、ここはなかなか大きなお店、街中でも一際目立つ。なんか、キラキラしてるし。なんか、現代の居酒屋みたいだけど、いいか。でも、ドワーフは基本頑固なイメージだから、ブルーノさんはかなり職人な感じかもしれない…。変なことを言わないように気をつけよう。



「すみません、ブルーノさんはいらっしゃいますか?」




「ウェーイ!呼んだー?」




完全にパリピですね。





 





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