第11話  ソロプレイもいいですが、仲間とのプレイもいいですよね?

  シルワの森を抜けながら、リーナのレベルを上げていこう。リーナとまた話しながら、道を進んでいく。ハウンドが何匹と襲いかかってくるが、振り回す棒にどんどん当たって吹き飛んでいく。森の太い木にぶつかると大きく木がきしみ、揺れるのである。



 リーナは後ろをついてきながら、棒を振る姿を真似している。

「しゅ。どかーん。しゅ。どかーん。」

小さな声が聞こえてきた。歳のわりにかわいいところがある。人間で言う6、7歳くらいなのか?実年齢は50歳だが…。


 


  でも、このままだとリーナの経験値は上がるけど、スキルのレベルが上がらないのか…。んー、どうしたものか。


「ねぇ、リーナ。」


「なにー?」


「リーナの風の魔法見してくれない?」


「いいよー!」


目をキラキラさせながら魔法を唱えた。



【ウインド】



 すると風の渦が木に当たり傷痕をつけて、風が消えていった。この魔法をたくさん使わないとレベルが上がらないのか。どうしたものか。


…あ、これならどうだろう。



「リーナの魔法って、曲げたりできるの?」


「んー、できるよ!ほら!」



【ウインド】

 


 また惜しげもなく披露してくれた。ぐねぐねと曲がり木にぶつかった。これがこの魔法の普通なのだろうか。木々の間ををぬって、左右に動いて同じ木の傷跡にぶつかった。すごいコントロールなのでは?雷、火の魔法も真っ直ぐだったし…。実はリーナはすごい魔法使いのエルフなのでは…?



「リーナ、次に敵のモンスターが出てきたら、魔法で引きつけてくれ!」



「うん!わかった!」



そういうと、早速ハウンドが現れた。そして、リーナは魔法を使った。



【ウインド】



 唱えた魔法は、大きく曲がり…。ずいぶん遠回りの軌道を描いて、ハウンドの後方に着弾させた。するとハウンドはものすごい勢いで、自分の方に飛んできた。驚きのあまり、ものすごい勢いで棒を振りハウンドに直撃。今まで以上に吹き飛んでいった…。


引きつけ方独特だな…。確かに効率はいいのか。というか…、めちゃくちゃびびった。想定を遥かに超えてきたな。



 森を北側に進むとモンスターの種類も増えてきた。トレントという木の魔物も加わった。3、4メートル程度の大きさで、木属性の魔法を使っていた。



 目の前にトレントとハウンドが現れた。どうしたものか…。


 

 とりあえず、リーナにハウンドをさっきみたいに引きつけて、倒そう。


「リーナ!ハウンドを、引きつけて!」



「わかった!!」



【ウインド】



【ウインド】



【ウインド】


 風の魔法を一気に唱える。すると、衝撃波で複数のハウンドが飛んできた。そして、打ち返す。うまく狙いがついた時は、トレントなら直撃して、仲良くさようならとなった。

 残ったトレントは…。



【パントマイム 鉄剣】



すっ。



おなじみのカットでやっつける。しかし、魔物も自分ばかり狙うのではなく、リーナも狙っていた。トレントはリサーナを狙って攻撃をした。



【リーフ】


 

木属性の魔法で、鋭い葉をリーナに向けて放ったのだった。


「リーナ!危ない!!」



「きゃー!!」


リーナは怖さのあまり身構えて、小さく縮こまった。そこに向かって魔法が襲いかかる。間に合わない…。


ドーン!と鋭い衝撃音があたりを包んだ。








 

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