ボッチ1 ステータスと女神の贈り物
光が収まると森の中にいた。
やはり同級生達が転生していた神殿には行けなかったらしい。
いやいやそれよりも途中で聞こえたあれは何だ。
なんか【世界最強】とか言っていたぞ!
ステータス、ステータスってどう見ればいいんだ!
あ、出てきた。
名前:マサフミ=オオタ
称号:【異世界転生者】【異世界勇者】【複数の世界を知る者】【世界最強】【
種族:異世界人
年齢:15
生命力 1000/1000
魔力 1000/1000
体力 1000/1000
力 100
頑丈 100
俊敏 100
器用 100
知力 100
精神力 100
運 100
職歴:なし
魔法:全属性魔法Lv1
加護:転生の女神アウラレアの加護
ギフト:空洞Lv1、風景同化Lv1、超演技Lv1
スキル:鑑定Lv1、アイテムボックスLv1
うん、やっぱり何故か【世界最強】がある。
と言うかその前に聞こえた【唯一絶対】って何だ! 最初の滅びた世界に行ったせいか!? 誰も居なかったからか!?
『はい、そうみたいです』
「うわぁっ!? 女神様!」
『そうです。まだ転生直前だから話せるんですよ。だから最後に色々と説明しようと思いまして』
と言うことらしい。
「それで俺は【世界最強】なんですか?」
『称号はその人を表す別の名前みたいなものです。だから本来【世界最強】を持つ方は本当に世界最強なんですが、貴方の場合は称号だけです。世界最強っぽく振る舞うことは可能ですが』
「なるほど、名前だけだと」
『そうなります』
役に立つものでは無いらしい。どうしよう、称号だけ持ってるイタイ人だと思われたら。
『それで最後に説明しようと思っていたのはステータスについてです。称号はさっき説明したのでいいとしまして、まずは
魔法は使える魔法の属性を示す欄です。魔法の適性ですね。レベルが上がるごとに適性は上がっていきます。因みにあくまで適性であって、魔術が使えると言う訳ではないので注意してください。
あと貴方の〈全属性魔法〉と言うのは〈地属性魔法〉〈水属性魔法〉〈風属性魔法〉〈火属性魔法〉〈光属性魔法〉〈闇属性魔法〉を一つにしたものです。基本的な属性魔法のセットですね。他にも色々な属性魔法があるので興味があったら獲得を目指してみてください。
加護は加護ですね。貴方のは私の加護です。これから見守っていますよ。
最後にスキルですが、これは一言で言うと出来る事ですね。例えば貴方に差し上げたスキル〈鑑定〉〈アイテムボックス〉で言うと、あらゆるものを鑑定出来たり、アイテムボックスと言う収納空間を使えると言うことです。これにもレベルがあって上がるごとに出来ることが増えていきます。
まあ全部要約すると貴方はゲームのキャラクターみたいになっていると言う事です』
うん、最後のが一番分かりやすい。と言うかそれ以外長くてよく分からん。
「〈鑑定〉って、さっき自分のステータスが出てきたんですが、それですか?」
『いえ、自分のステータスは念じれば見える仕様です。そうですね、アイテムボックスを念じてみてください。どんな形でも大丈夫ですよ』
アイテムボックス? 念じろと言ったってどうやって?
あっ、開いた。本当に何でもいいんだ。少し開きたいと思えば開くとは便利なものだ。
手元に空いた空気の歪みのようなものに手を突っ込んでみる。
おっ、色々入ってる。
取り敢えず手に当たった皮袋を出してみる。ズッシリとした巾着袋だ。
「これは?」
『ここで鑑定を試してみてください。これも鑑定したいとか、これを知りたいとか思うだけで簡単に使えます』
どれ鑑定。
おっ、出た。
名称:女神手製皮袋の財布
効果:不壊、防犯、転移、空間拡張
説明:女神の手で作られた皮の袋。用途は硬貨入れ。中に金貨99枚、銀貨99枚、銅貨100枚の合計1000万フォンが入っている。
「いっ、1000万!?」
〈鑑定〉の力、そんなのどうでもいいっ!! そそそ、それよりも1000万の金がおおお、俺のアイテムボックスの中にっ!!
『はい、お詫びの気持ちを込めて。転生先が同級生の皆さんの場所と狂ってしまいましたから。本来なら王国のサポートで得る筈だったお金です。因みに物価は違いますが大体1フォンは30垓ジンバブエドルとほぼ同価値です』
「さっ、30垓ジンバブエドル!? 30垓っ!? ってそれっていくら!?」
『垓は京の上の単位で、京は兆の上の単位です』
ジ、ジンバブエは知らないが、ドルってアメリカのあれだろ!? 1ドルはたしか100円ぐらいだから……3000垓円!?
そ、そんな大金あったら何が買えるんだ!? 国が幾つも買えるんじゃないのかっ!?
「……これだけの金があったら友情を買うこともきっと簡単だ……」
気付いたらいつの間にか呟いていた。そうだ、奴隷なんか買わなくたって勝手に友達が集まるぞ!
思わず涙付きのガッツポーズをしていると女神様が申し訳なさそうに……。
『…すいません…本当にごめんなさい。1フォンは日本の1円とほぼ同価値です。つい大金に見せたくて……私の失態、全部塗り替えてくれるかなって……貴方の心がそんなにも寂しいとは思いもせずに……』
…………………………。
『あっ、で、でも1000万フォンもあれば大抵の奴隷は買えますから! 特殊な奴隷でもない限り100万フォンもあれば買えますから! 安い奴隷は1000フォンで買えますから! と、友達もそれで百人はいけるかも知れませんよ!』
……そうだ、1000万円でも十分に大金だ。そこを忘れてはいけない。
ドレ…おっと、人の尊厳を保つ為に一言言っておかなければ。
「女神様~、何を言ってるんですか~、友達は金で買えるものじゃないですよ~、ははは」
これに対して女神様はニッコリ、静かに話題を変えてくれた。
『お金の他にも必要そうな物資をアイテムボックスの中に入れておいたので、後で確認してください』
「ありがとうございます! 女神様!」
女神様の好意を、色々な意味でありがたく頂き、俺は感謝を込めて告げた。
『それではそろそろ本当にお別れのようです。
繰り返すようですが、貴方に祝福を。どうか世界をお救いください。
とは言っても異世界の勇者は大勢います。この世界は滅び一歩手前と言う訳でもないですし、貴方は自分のために第二の人生を歩んでください。いつか、貴方のお友達を紹介してくださいね。良き人生を』
その優しい声音を最後に響かせ、女神様の存在は遠ざかって行った。
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