五十年泣き続けた王様
仲仁へび(旧:離久)
第1話
王様はずっと泣き続けていた。
けれど、表には出さないでいつもにこにこ。
王様の仕事をずっと続けていた。
なぜなら、王様の行動は多くの人の人生を左右するから。
不安そうにしていたら、多くの人が不安に思ってしまう。
心配をかけるものは、人の上に立つ資格がない。
人を導く者として、失格。
だから王様は、自分が泣き続けている事を、ずっと隠していた。
隠して、隠して、隠し続けたまま、泣き続ける。
そのため五十年経つ頃には、王様はすっかりにこにこの技術が高くなっていた。
だから、誰も見破る事はできない。
王様が泣き続けている事を。
王様が本当はにこにこしていない事を。
誰も。
誰も。
王様がなくなるまで。
「一人で頑張る事は苦しい。
誰か一緒に頑張ってほしい。
どうして王様は一人だけなんだろう
どうして一人だけしか王様はなれないんだろう」
王様の本当の気持ちは、分からないまま。
五十年泣き続けた王様 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます