第35話
僕がベッドに座ると、メイが僕を椅子にしてもたれかかる。
「私の掛け声でスタートよ」
「準備できてるよ」
「僕もだ」
「それでは、試合スタート!」
ユキナがスマホのストップウォッチを起動させる。
その瞬間に僕はメイをくすぐる。
「きゃははは!お兄!おに、やめ、んぐうううう!」
僕がメイをくすぐると、メイは面白いように反応する。
メイがじたばたともがき、僕がくすぐりを続ける。
メイは手前に置かれたタッチライトのスイッチを押した。
「はあ、はあ、もう、限界」
「メイ、1分28秒よ」
「まだそれだけ!」
メイは驚いていた。
でもすぐに笑顔になり、次の戦いをタブレットとペンを構えて見守る。
お絵描きがメインの目的なのかもしれない。
ユキナとヒマリの顔が赤い。
これから自分がされる事を想像しているのだろう。
「次は先生がやるわ」
ユヅキが手を上げて僕を椅子にして無防備にもたれかかる。
むっちりしたユヅキの体が魅力的だ。
ユヅキの顔が赤い。
僕の顔も赤くなってしまう。
「試合スタート!」
そう言ってユキナがスマホのストップウォッチを起動させる。
僕は全力でくすぐる。
「あん!シュウ君、凄い!んああ!あん!」
声がエロい。
僕まで恥ずかしくなってくる。
でもユヅキは我慢強かった。
1分、3分、7分と耐え続ける。
そして、
「10分経過、そこまでよ」
「はあ、はあ、シュウ君、凄い」
そう言って僕を見つめるユヅキにドキドキする。
「先生凄いよ!おかげでいい絵が書けたよ!」
メイは興奮して絵を見せてくる。
「ふふ、私こういうの好きなのよ」
ヒマリとユキナがユヅキを見た。
「2人ともどうしたの?」
「ユヅキ先生って、責められるのが好きなんですか?」
「そういう性癖には何となく気づいていたわ。でも、自分で言うなんて、ユヅキは凄いわね」
2人の驚きの質が違う。
「どんどん行こうよ!次はヒマリね!」
「私!」
「ヒマリ、僕の前に座ろう」
ヒマリが真っ赤になって抵抗する。
「ええ!でも、あんなに恥ずかしそうなのは、あの」
メイがパチンと指を鳴らす。
ユヅキとユキナがヒマリを強引にベッドに座らせた。
僕と離れて座り、後ろを向いて僕を見る。
「ヒマリがちゃんと座らないと始まらないよ。お兄ちゃん、ヒマリを後ろから抱きしめて」
「メイ、ワザとヒマリを恥ずかしがらせてない?」
「そんな事無いも~ん」
そう言いつつ僕はドキドキしている。
メイとユヅキで興奮は高まり、更にこんなに恥ずかしがるヒマリを見ていると悪戯したくなってくる。
「お兄ちゃん、いい顔してるね」
「何のことか分からないな」
「ねえ、やっぱり私恥ずかしいな」
そう言ってヒマリはメイを見る。
僕はその瞬間に後ろから抱きしめた。
「ふ!」
ヒマリが息を吐いて吐息が漏れた。
「は、恥ずかしい」
「実は僕も恥ずかしい。でも、真っ赤になったヒマリが可愛いすぎる」
「な!見ないで!」
そう言ってヒマリが顔を隠す。
「こほん、はじめるわよ」
「いいよ」
「スタート!」
ユキナがスマホのストップウォッチを押した。
ヒマリは僕にくすぐられた瞬間にビクンビクンと体が動き、僕の腕を掴む。
「まだ始まったばかりだよ。もうちょっと本気でくすぐるけど頑張ってね」
「え!ひ!ああああああ!ぎゅう!はひい!」
「ヒマリ、ギブアップなら前にあるタッチライトを押さないと終わらないよ」
そう言いながらメイはヒマリをスケッチする。
ヒマリがタッチライトに手を伸ばそうとした瞬間に僕が脇をくすぐる。
伸ばそうとしたヒマリの手が引っ込み、スイッチを押せない。
「いいよ!これだよ!ヒマリもお兄ちゃんもいいよ!」
メイはそう言いながらペンを走らせる。
僕は興奮していた。
ヒマリの敏感さ、後ろから抱く心地よさ、ヒマリにいたずらをしているような錯覚、すべてが僕を興奮させる。
もっといたずらしよう。
すこしくすぐりを弱くして、ヒマリがスイッチに手を伸ばそうとした瞬間に一気にくすぐりを強くするのだ。
ヒマリが手を伸ばせば、ヒマリの手のガードは無くなり、その隙に思う存分くすぐることが出来る。
すこしくすぐりを弱くすると、ヒマリが手を伸ばしてスイッチにタッチしようとした。
その瞬間の無防備なヒマリを一気にくすぐる。
「やめ!あ!あ!んあん!」
ヒマリがくすぐりに耐えられずスイッチを押さず腕が引っ込む。
そうなったらまたヒマリへの攻撃を弱める。
そしてまたスイッチを押そうとしたらくすぐり攻撃を強くする。
ヒマリはどんどん疲れて真っ赤になり、スイッチを押せないまま時間が流れる。
ヒマリが何か話そうとしてもくすぐりを強くする。
ヒマリは抗議できず、スイッチも押せないまま僕にくすぐられ続けた。
「10分経過よ」
ヒマリはベッドに横になって激しく呼吸をする。
「はあ、はあ、ずるい。私が押そうとすると、強くして、あれ、だめだよ、はあ、っはあ」
倒れこんだヒマリの発言にドキッとする。
僕はヒマリの頭を撫でようとしたけど、ヒマリは両手で僕の手をガードした。
「だめ、もうだめ」
「頭を撫でようとしただけなんだ」
「え?で、でもダメ、それも駄目!」
「さ、次は私ね」
「ユキナはこのままやっても普通に10分耐えられるから、このままだと、ヒマリとユヅキとユキナが残りそうだ」
「お兄ちゃん、耳を貸して」
僕はメイに手招きされた。
メイは僕の腕に絡みついて、僕の左耳に耳打ちをする。
「言葉責めをしようよ」
ユヅキも僕の右に抱きついて耳打ちする。
「私のセリフをそのまま言って。そうすればユキナは耐えられないわ」
「……ずるいわよ」
ユキナが僕たちをジト目で見る。
「ユキナ、言葉責めって有りなのか?」
「そんな事なのね。そのくらいなら大丈夫よ。私はヒマリさんよりはくすぐりに強いと思うわ」
「OK!わかった!」
ユヅキが僕に耳打ちをする。
僕はその言葉を暗記した。
僕はベッドに座る。
ユキナが僕にもたれかかって耳打ちする。
「私にも、ヒマリのようなプレーをしていいわよ」
「何のことかな?」」
「バレバレよ。ヒマリにスイッチを押させようとして、手が伸びた瞬間に一気に追い込んで楽しんでいたわ」
「ねえ、お姉ちゃん、早く始めようよ」
「ユキナ、余裕っぽく振舞っているけど、もう顔が赤いわよ」
「ふ、ふふふ、始めましょう」
ユキナは笑ってごまかすけど、真っ赤だった。
「お姉ちゃんとお兄ちゃん二人のこちょこちょ選手権!スタート!」
「ふ、二人の選手権!」
「もう始まってるよ」
「お兄ちゃん早くくすぐって」
僕はユキナをくすぐった。
「ん、くす、ぐったいけど、耐えられ、るわね」
「ユキナ、僕が調教してあげるよ」
「へ!あ、ちょっと」
「ユキナ、その顔を見せて、恥辱に歪んだその顔をもっとめちゃめちゃにしてあげるよ」
「ふぁ、わた、私これから、なにを、されるの!んん、顔を見ないで!」
「くすぐられた顔のユキナを見たいんだ」
「これは、ふ、だめよ」
「ユキナが一気に弱くなったわね」
「そんなこ、と、ない、わ」
「くすぐりのせいにして色々触るけど、覚悟してね」
「ん、ふぇ!、わた、、んん」
ユキナがスイッチを押した。
「3分37秒だよ」
ユキナはベッドに倒れこんで息を荒げ、顔を隠す。
ヒマリとユキナが赤くなりベッドで僕を見ていた。
「これ、僕は楽しいけど、皆不幸になってないか?」
「そんなことないも~ん。次はヒマリとユズキの王者決定戦だよ」
「わ、私、ギブアップ」
ヒマリがギブアップした。
「ええ!もっとこちょこちょ対決しようよ!」
「楽しかったね。たくさんいい絵が書けたし、今日は寝よっか」
メイをユキナとヒマリが取り囲む。
「ねえ、私、少しだけ恥ずかしかったわ。ヒマリさんもはずかしかったわよね?」
「そうです。わたし、メイにもっとこちょこちょが必要だと思います」
「え!私はもういいよ。さてっと、そろそろ寝ようかな」
メイが僕の部屋を出ようとするとヒマリとユキナが捕まえてベッドに連行する。
ユヅキはメイを後ろから抱きかかえてベッドに座った。
「先生まで!なんで!?」
「メイちゃんがくすぐられるのも面白そうだから」
メイはユヅキに抱きかかえられて座り、サイドにはユキナとヒマリが両手をわきわきと動かしてメイのお腹を狙う。
「お兄ちゃん!助けて!」
「きびしいな」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
メイは3人にしばらくくすぐられ続けた。
でもその様子は皆魅力的で、目が行ってしまうのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。