第3話ムカつくクラスメイトの女子

放課後になり、部活に勤しむクラスメイトらは教室を出払っていて、教室内には俺と田辺の二人しか残っていない。

彼女は呑気に黒板と教卓の間のスペースで両足を投げ出した体勢で、ペナルティの教室掃除に勤しむ俺を眺めている。

黒髪のミディアムである毛先を弄りながら、まだぁ〜?と急かしてくる彼女。

「嫌だったら先に帰りゃよかったじゃねぇかッ!目障りだよ、そんなとこに居られるとッ!」

箒で塵を掃きながら、彼女に向かって声を荒げる俺だった。

「ひっどぉーッ!かっちゅんが酷い言葉吐くぅ〜ッ!サイテ〜!」

「うっせぇーッ!見てるんなら手伝えよ、ったく!」

「居眠りしてたの、私じゃないしぃ〜!嫌だねぇ〜べぇーっだぁッッ!」

小さく舌を出し、拒否する彼女。


こいつぅ〜ッッ!!可愛くねぇ奴……


掃除を終え、藤宮先生に報告するべく、教室を出ていく俺。

彼女が歩幅を合わせながら、隣を歩く。

「どんな夢、みたの?それくらいなら、教えてくれてもよくない?」

彼女が顔を覗かせ、訊いてきた。

「聞いても詰まんない夢、だよ。そんな気にすることないだろ、夢なんて……」

「ちぇ〜ッ!ケチだなぁ……高校に入学はいる以前のか。そんな恥ずかしいもんかねぇ……昔話つぅ〜のは」

「……ッ!っんで、そうなるッッ!」

「否定しないんだ〜ぁ……気になるとこだけど、話せるようになったら話してよ。かっちゅんの昔話って気になるんだよねぇ〜」

ひとさし指で胸をゆっくり円を描くように撫でてきた彼女。

「うっ……大したことなんて起きちゃいねぇって」


はあ〜ぁっ……


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