第81話 全ての答えを用意する必要はない。絶対ない。

 愛や恋の正体を知らずに、愛と恋を語る人間は多いのに。

 小説の中に謎が残されたままになっていると、そこをつつきたがる人間も多い。

 面倒だなあ。


 もちろん消化不良を起こしてしまうような展開はよろしくない。

 謎を謎のまま残しているのが意図したものかどうか、というのがポイントなのだろう。

「うっかり描写し忘れちゃった」なんて論外で、レビューで叩かれても仕方のないこと。

 だけれども、意図をもって全てを書かなかった場合、読者の期待と作者の意図に齟齬があるだけの話なのですよね。


 掌編なら謎が解消されていなくても、許される場合がほとんど。

 長編であっても、続編が書けそうな物語の場合、わざとキーポイントになりそうな謎を残しておくこともあります。それも許容されますね。


 ……さっきから許容だとか許されるだとか、作家の創る世界って、そんなに窮屈ですっけ? なんて思いますよね。


 違うよなあ。

 もっと自由であって欲しいし、自由でありたい。

 もっと面白さに注目して読みたいし、読まれたい。


 そう、私は今、「なぜこうなった?」っていうのを明確に書かずに終わっていく物語を書いています。

 そして、「それでもいいじゃん」という思いでこの文章(言い訳)を書いているということですね。

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