　ミステリー、サスペンス、ホラー、サイコスリラー。

　ラブストーリーであっても、登場人物に秘められた過去なんかあれば、求められるのは「複雑に絡み合ったストーリー展開」なのですよね。

　絡ませるのね、得意ですよ。

　毛糸も、釣り糸も、イヤホンも。

　それに比べ、解くの面倒じゃないですか？

　物語もね、前半を読んだ読者の記憶とか、一般的な知識とか、そんなものを使わせて解かないと分かりにくい物語はただ疲れる。

　作者が上手いこと

「コレは右に。コッチは左に。そして最後に引っ張ると、ね、出来上がり」

　みたいに誘導してあげないといけない。

　肝心なのは絡ませ方じゃなくて解かせ方。

　複雑そうに見えて、実は単純でしょ？　って見せ方が一番気持ちよく読んでもらえると思っています。

　散々こじらせた恋人たちに

「なに小難しいこと言ってんだよ。結局お前はあのこが好きなんだろ？　だったら掴まえてこいよ。『好きだ』って全身で表現してやれよ」

　みたいな、超シンプルなアドバイスが意外と効いたりするの、見てて気持ち良くないですか？

　複雑に膨れ上がったストーリーの風船。

　それを一気に破裂させる小さな針のような単純明快な展開。

　そんな針を忍ばせ持った人の話、読みたいなぁ。

（書きたいなぁ、じゃないのかよ！）

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい