第71話 情景描写は何を書く?
ろんぐたいむのーしー
お元気でしたか?
病気だよ!って方もいらっしゃいましたね。ご自愛ください。
さて、短編で「今回はキレイな景色のお話を書こう」と意識して書きましたら、その部分を褒めていただきました。ありがたい限りでございます。
度々情景描写は誉めていただいたり、どう書くのかという言葉をいただいたりしております。
そこで今回はその辺りのことを書きたいと思います。
今日公開した「砂のさざ波」では、海の星空と、砂丘の日の出の情景を書きました。
そういった、ちょっと見応えのある風景を描くときは、視点を気にして書いています。視点と言っても、文体的な人称視点のことではなく、映像で言うところのカメラの位置です。
ちょっと例で何か書こうと思うのですが、何がいいかな。
近況ノートに、実際の風景写真を載せようと思うので、先月見に行った向日葵の描写でもしてみましょうか。
真夏の太陽は実にエネルギッシュだ。時刻は六時前。
姿を少し赤らめていた薄い雲たちも、今では白銀の輝きを乱反射させている。
私はその太陽の光から逃れるように、並び咲く向日葵たちの後ろに隠れた。
向日葵の顔は、誇らしげに太陽を直視している。
向日葵たちは太陽の光線を透かして、ライムグリーンの葉に、レモン色の花びらが瑞々しく輝いていた。
夜の忘れ物のような水滴が、向日葵の大きな葉を滑り落ちる。
地球の脈動を感じる。大空を舞う風が薫る。太陽の表面で炎が揺れている。
向日葵たちは、太陽との間に無限の夢を見ているのかもしれない。
どうでしょう?
実際に写真を見てから文章を読んだ方と、文章を読んで、これから近況ノートで写真を見に行こうかなって方といるとは思うのですが、どちらが先かでイメージもずいぶん違うとは思うのです。
で、視点の話なのですが、最初は遠景、あるいは引きの画って呼ばれるやつですね。
真夏の明け方の空全体を見せています。そして、向日葵の登場。同時に人物が現れて、向日葵の影に入ります。
まずは向日葵全体を見渡しますね。その後、雫にズームアップします。そして、その雫が葉を滑り落ちることで、時間を経過させ、視線も動かします。
一気に俯瞰に変更し、大地、空、太陽と視界を広げ、最後は想像に切り替えてフェードアウトです。
この後すぐに近況ノートに向日葵の写真を上げるので、お時間あればどうぞ(Twitterで見たぜって思われるかも)
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