不幸なスキル

紫苑01

第001話 不幸な男

先程上司の罪を被せられて会社を懲戒免職になった

監査が入ったんだから確り調べてくれよ

傘下企業からのキックバックなんて受け取れる立場なんかじゃないってのに何故か俺がポッケナイナイしてる事になってた

係長の豪遊にパチンコで勝ったにしても派手過ぎると思ってたんだけど まさかこんな事になるなんて…

あれよあれよと話が進み俺が着服してた事になって晴れて首…

まぁ業績が下降してる会社だったから辞めるか首かの二択だったんだが再就職には不利だよな

会社の体裁を保つ為に通報はしないとか言ってたけど労基に訴えてやるか

まぁ何にしても一度家に帰る事にした

地下鉄に乗り30分地元駅に着く

階段を上る気力も無い俺はエレベーターに乗った

エレベーター内には高校生のカップルと委員長タイプな眼鏡っ子 それと俺が乗っている

ウィーーン ガタッ

「きゃ」

「うわっ」

暗くなるエレベーター内 停電だ

眼鏡っ子がスマホのライトを付けてくれたので緊急用の電話をかける


トゥルルルル

トゥルルルル

トゥルルルル

……

出ない…

地震とか火災じゃ無いよね?

揺れたのは一回だけだし

別に焦げ臭くも無い

「雄二くーんアーちゃん怖い」

「そこのリーマン早く何とかしろよ」

俺に責任転嫁してんじゃねーよ

お前は係長か

「お…大人しく待ってれば動くだろ」

うっ噛んだ…

「こんなのは こうすりゃ良いんだよ」

おいおい雄二君短気すぎるだろ

地下一階から地表のエレベーターだから途中でドア開けても壁しか無いだろ

「えっ」…



DQNな雄二君が無理矢理開いたドアの向こうには洞窟が有った

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