入学式で知る酷い学校の始まり


「落ちたもんはしょうがないよな。 中学という名の あの地獄から抜け出せただけでも・・・なぁ」


 中学まで不良から所謂イジメにあっていた僕がこれから先生きのこるには、公立高校で不良のないレベルまでを上げるか、同級生のいない私立に行くしかない。

 しかし僕の学力は下の中、そりゃそうだ。

3年間のイジメと思春期の性欲がタッグになったら、そりゃもう勉強なんて出来る環境でもメンタルでもないんだもんよ?


「ヨー君。 一緒に爽野花さわやか高校に行けるとイイね」

「うん、頑張ろう。それと…チコ…さ、もし一緒に合格したら話したい事があるんだ」

「っ?! ・・うん・・分かった! 楽しみにしてるね!」


 フラグを自ら立ててしまった僕は中後期の追い込み時期に、毎晩ストレス発散に夜の自家発電をエレクトしていた。

 参考書カバーに偽装したエロ本を開きながら床相手に男のシンボルをぶつける。 中3の春頃にしたチコとの約束を思い出し、高校に入ったらスコンスコンする事ばかり妄想していた僕が爽野高校を落ちるのは必然だった。

 結局合格発表以降、チコとはまともに話していない。


そして春、桜の咲く季節。


俺は滑り止めの九頭がくずがおか高校に入学した。

俺は学ランからブレザーになり、女子は私立らしく胸下まであるスカートでおっぱい寄せ上げ、上着は胸下までの長さの制服。さすが私立、ギャルゲーみたいな制服で眼福だ。

ちなみにこの九頭が丘高校、女子の制服はオークションで高値取引されている程人気だそうだ。


「それにしても、アイツの所はどんな感じなんだろうな…」


チコの事を思い出しながら、滑り止めで合格した九頭が丘高校の校門に立っている。


まぁ悲観しててもしょうがない。

今日からここで俺は生まれ変わる!

高校デビューで生まれ変わるんだ!!






『1年 クマ組』


クラス名簿を見てまず絶望した。


「なんなのこのクラス?クラスは数字かアルファベットじゃないの?数字じゃないじゃん?動物じゃん?幼稚園までだよねコレは…」


ま、まぁ考えるのはやめてとりあえず席に着こう。


 ふむふむ、この長テーブルの机で6人の班を作って3年間同じ班で過ごすと…何だが大学みたいだなぁ…3年!?長過ぎだろ!?


 このリセマラ出来ないクソガチャが外れたら一発で高校生活終わりだ!

 指定の席に座り人生の岐路と言える3年間が決まるガチャに不安を覚えながらメンバーをバレないように横目でチラ見する。


a、学校の教室で、スマホで思い切りエロ動画(音量小)をガン見しているブラ見せ金髪外人碧眼デルモ美少女。(ウルトラレア・推定Éカップ)


b、一昔前のギャルメイクに制服を着崩し、何故か金髪縦ロールの化石クロギャル(スーパーレア・推定Bカップ)


c、シルバーアクセサリーをガチャガチャさせたロン毛のビジュアル系ガリヒョロメガネ男(レア)


d、身長190はある制服がピチピチの角刈りリアル大工のゲンさん(確変)


z、明らかに自分で染めた腰まである下品な斑赤毛をみつ編みにしたメガネ美女(推定Dカップ)


 鋭い猫目で俺の事を下から睨めあげてくるメガネ美女…ヤバい!赤毛と目があった!

 赤毛は髪以外は他のメンバーと違い校則通りにキッチリ着こなすマジメガネっぽいのに何で俺を睨んでるの!?目があった以上、行くしかない!


「夜露死苦うぅぅ…」


 赤毛何だから多分元?ヤンキー女なんだろう。

 働かない頭をフル稼働し、俺をパシリにしていたヤンキーが視聴覚室で見ていた、謎のヤンキーが運動会をするVHSで行われていた挨拶をした。

 刺激しないよう、なるべく小声で。


「!?」


目を見開いたと思ったら突然立ち上がり俺の両脇に手を差し込み持ち上げられた。

そしてそのまま長机の上に寝かされ、上から覆いかぶさり床ドンされた。


(うわわ、な、なんで…誰か…た、たすけてぇ)


声が出ずパクパクしていると、赤毛の顔が鼻先まで近づき口角を少し上げニチャァ…と微笑んだ…

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