手編みのマフラー②
「あ! こんなところにいた! 何やってんの2人で?」
僕と同じ文化委員でクラスメイトの女子が
教室に入ってきた
なんとなく気まずい空気を感じた僕は
重い雰囲気を誤魔化すように
「お互いに好きな人いるかって話してたのさ」
と、少し茶化すように答えた
するとクラスメイトは、
「あら? アンタが好きなのって新体操部の部長でしょ?」
とそこに爆弾発言
「えぇ〜! 言っちゃう! バラしちゃうの! それ⁉︎」
「えっ! ゴメン! カマかけたんだけどガチの奴だったの⁉︎」
びっくりして声を上げる僕にクラスメイトの女子も慌てる
「なんで⁉︎ どっからそんな噂を……?」
「いや、だって前に男子たちで気になる子の話とかしてたじゃん?」
あちゃー、あれ、聞かれとったんかい
それは進級してクラス替えになる前
そういう話で盛り上がったときのことだった
ちなみにこのクラスメイトの女子とは去年も一緒なクラスである
今となって思えば
君は全身固まってそれを聞いていたように思うが
あのときの僕には
それに気づけるような
そんな心の余裕はどこにもなかった
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