流れ星にお願いを①

 満天の星空

 流星がすうっと流れていった

 となりできみが祈りを捧げ目を閉じている


「願いごと言えた? 」

「うん 」


 ぼくが冷えてくるから、と

 貸した上着を羽織ったきみが

 少し恥ずかしそうな顔で返事をする


 ふたご座流星群の夜

 学園祭の準備を言い訳に

 校舎の屋上

 ちょっと休憩しようと天体観測


「明日の学園祭上手くいくといいよね」

「うん」


 成績が良いというだけで

 委員長を半ば押し付けられた

 あまり饒舌ではなかったきみ


「まぁ、大丈夫か。ちゃんとお願いできたし」

「うん、、うぅ......ん?」


 副委員長のぼくの言葉にきみは首を傾げ

 可愛い目で右斜め上を見やる


「だって流れ星に上手くいくようにってお願いしたんでしょ?」

「あ......! あぁ〜、ハハッ.....」


 バツが悪そうに照れ笑い

 ―― いったい何をお願いしたんだろう?

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