『詩簪』【詩】【5600編目】

片喰藤火

『詩簪』【詩】【5600編目】



詩簪


鼈甲の飴色を詩にして

結った黒髪に簪を


過去の憧れを飾り挿すような

遠い昔の想い人への言葉でしょうか


黒髪の艶めく光は

時が微睡む幻燈機


珊瑚の玉を詩にして

結った黒髪に簪を


海の悲しさを飾り挿すような

遠い異国の想い人への言葉でしょうか


黒髪を解けばさらりと

風に抱かれた独り旅



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『詩簪』【詩】【5600編目】 片喰藤火 @touka_katabami

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