守り抜きたい、おっとり幼馴染退魔巫女が自分の身体に高飛車バニーガール妖魔を封印してしまった。封印が解けるとキスして再封印しなければならないが妖魔が誘惑してくる……メッチャ手を出したい
妖魔に乗っ取られた守りたい幼馴染みに刀を振り下ろせない
妖魔に乗っ取られた守りたい幼馴染みに刀を振り下ろせない
「舞を解放しろ!」
舞の身体を乗っ取った妖魔、兎姫に向かって刀を向けつつ剣司は強い口調で命令した。
「ほほほっ、出来ぬ相談じゃな」
目を細め、口元を扇で隠すが、舞が決して口にしない嘲笑を兎姫は浴びせてくる。
いつも穏やかな笑みを浮かべる舞が、さげすみ見下すような視線と嗤いを浴びせることに、剣司は舞を穢されているように感じ怒りがわいてくる。
と共にどこか背筋がゾクゾクしてきて、その感覚を抑えるのに精神力を使う。
「解放して欲しいなら腕尽くでしてみよ」
舞、いや舞を操る兎姫は扇を広げ、細い腕を伸ばし剣司に向けると、光線を放った。
「くっ」
剣司は刀を振り光線を弾くと、舞を助けようと兎姫に向かって駆け寄る。
「ふむ、なかなかじゃのう」
剣司に避けられても兎姫は扇を向け次々と光線を放つ。
だが、いずれも剣司は避けるか弾き、至近距離に近づいた。
「接近すれば、何も出来ないだろう!」
「ほほほっ、やりおる、じゃが妾も弱くはないぞ」
扇をたたむと、小刀のように握り、剣司が繰り出す刀の刀身を弾き、斬撃を捌いて行い、一撃も浴びない。
「甘いわっ!」
隙を見て兎姫は握った扇を剣司の腹に突き出した。
「がはっ」
細腕だが精気によって強化された身体から放たれる一撃は、強力で剣司は身体をくの字に折って倒れた。
「そなたには妾を捕らえることは出来ぬな」
「な、なめるな」
「無理じゃろう、そなたの視線は妾の身体に向けられておるからな」
「なっ」
剣司の斬撃を躱すときに、ピッチリスーツに締め上げられ艶めかし曲線を見せる、くびれた身体。捻ることでより艶美が際立つ。
動く度に淫らに揺れるメロン型の豊満な胸。
黒タイツに包まれた流麗な脚の躍動。
ラインが露わで躍動的な動きを見せる舞の身体に剣司の目が向いていたのは確かだった。
「そ、そんなの心頭滅却すれば何とでも」
激痛に耐えながら剣司は兎姫に強がりを言う。
「ならば、このまま打ち込んでみよ」
「……何?」
予想外の言葉に戸惑う剣司に兎姫は嘲笑うように語る。
「妾にその刀を浴びせてみよというのじゃ。遠慮せずにこい。妾は攻撃せぬぞ」
挑発するように兎姫は両手を広げたあと、扇で口元を隠し剣司を嗤い無防備な姿をさらした。
好機だったが、剣司は、すぐには攻撃できなかった。
長い時間葛藤した後、意を決して上段に刀を構え振り下ろした。
「うおおおっっ」
だが、その刀は、兎姫の寸前で止まった。
「やはりな」
目の前で止まった刀身を見て、兎姫は目を細め、不敵に笑う。
「そなたは、この身体の持ち主を傷つける事は出来ぬのじゃろう」
「くっ」
兎姫に図星を言われて、剣司の顔に苦悶の表情が浮かぶ。
乗っ取られたとはいえ舞を傷つけるなど、舞を守ると約束した剣司には出来ない事だった。
「それが、そなたの甘さじゃ!」
兎姫は、扇を広げると光球を作り出し、剣司に打ち出した。
「くっ」
刀に手を当て光球を受け止める。
「ぐはっ」
光球の勢いに後ろに押し返されたが、剣司は光球を上に弾くと再び兎姫の向かってくりかかる。
「来るか!」
兎姫は檜扇を前に出し、接近する剣司に向かって光線を乱射する。
剣司は的確に光線を躱し近づく。
やらなければやられる。
覚悟を決めて、兎姫の懐に飛び込み刀を抜いた。
「うっ」
だが至近距離で兎姫の顔、所々目や眉や口元が吊り上がり不敵に笑うが、舞の顔が目の前に現れ、剣司の決意が鈍った。
切っ先の軌道が逸れ、バニースーツの先を浅く切り裂いた。
「きゃあっ」
可愛らしい悲鳴と共に布が割け、白く柔らかい肌が白日の下にさらされ輝く。
「うわっ」
肌を隠そうとする兎姫の仕草に家の脱衣所で着替え中に偶然入ってしまった時のような気まずい思いを剣司は思い出して、目を逸らした。
「隙ありじゃ」
その瞬間、兎姫は邪悪な笑みを浮かべ光球を作り出すと剣司に向かって放った。
「しまった! がはっ!」
至近距離で放たれた光球は避けられず、身体に直撃し後ろに吹き飛ばされ、地面に落ちると爆発した。
「ぐあっ」
光球の直撃を受け、全身に激しい痛みが走り、剣司は動けなくなってしまった。
「ほう、あれだけの攻撃を受けて、よく無事じゃのう」
剣司が生きているのを見た兎姫は、精気で破れた部分を修復すると満足そうな笑みを浮かべた。
乱暴に扱った玩具が壊れていないことを喜ぶ笑みを浮かべ、マントをたなびかせつつヒールを高らかに鳴らし、剣司に近づく。
兎姫は剣司に近づくと、立ち止まり、片足を上げる。
そして剣司の両脚の付け根にヒールを突き出し、めり込ませた。
「ぐあっ」
「妾の肌を曝した罰じゃ。存分に痛い思いをして後悔するが良い」
黒光りするヒールの先端へ更に強く力を入れる。
身体の中にヒールが深く突き刺さり、その激痛に剣司は歯を食いしばり悲鳴を堪えるが、口から漏れてしまう。
「ぐううっっっ」
「ほほほっ、可愛らしい声で啼くのう」
剣司の悲鳴が耳朶に入り、諧謔心をくすぐられた兎姫は、乗っ取った舞の身体を操り、ぐりぐりと脚を動かしヒールをより強く剣司の身体にめり込ませて尋ねる。
「ぐおおっっ」
更なる痛みに剣司は苦悶の表情を浮かべ苦しむ声を漏らす。
「ほほほっ痛そうじゃのう」
剣司が痛がる様子を見て兎姫は愉悦の笑みを浮かべて言う。
「どうじゃ? 好いた女子に足蹴にされ、痛ぶられる気分は?」
「最高です!」
「変態さんじゃな」
ピンチなのに喜々としして答える剣司に、さすがの兎姫も唖然とし、ツッコミを入れた。
「いや、でも」
剣司は、戸惑いつつも兎姫を操られている舞の姿を見上げる。
自分の好きなキャラの衣装、ドエロい衣装を、幼馴染、それもスタイル抜群の許嫁が身につけている。
本来の舞はおっとりした性格なのに、今は兎姫の影響で目を細め強気な表情で腰に両手をあてた格好で自分を見下している。
しかも、普段はキスどころか奥手で手を繋ぐ事さえ、はばかるような慎ましさなのに、今はヒールの先とはいえ、グイグイと自分の身体に押し込んでくる。
「これをご褒美と言わずになんと言うんだ!」
「変態じゃのう」
拳を握って力説する剣司に兎姫は呆れた。
「……仕方ないだろう」
哀れみの視線を向ける兎姫に剣司は弱々しく、歯がみしながら淡々と事情を説明した。
「舞はしっかり者のようにみえるけど、どこか隙もあるし、無防備なところ、突然胸が大きく開いた衣装に変身してしまう。それは、お役目で、しょうが無いとしても、同じ屋根の下のため風呂上がりにタオルだけ巻き付けて廊下を歩いているところをばったりと出くわすこともあるし」
そんな舞に思春期の剣司は何度も手を出したくなったことか。
だが許嫁とはいえ、養父の監視があり手を出せないので碌にキスも出来ない。
下手に手を出そうとすれば、稽古の名の下に義父に半殺しにされる。
しかも舞自身も察しの悪いところや生真面目な部分があり、一線を越えることがない。
その鬱憤が溜まって漫画のキャラに重ねて妄想していたが、暴発して本人にコスプレしてくれと頼み込んでしまった事もあった
「そんな生殺しの状況を五年も続ければ性癖だって歪むわっ!」
「済まぬ……そのような事情があるとは、思わなかった」
あまりにも不遇な剣司の身の上を哀れに思った兎姫はヒールを引き下げ素直に謝った。
「ならば、少しは良い思いをさせてやろうかのう」
兎姫は剣司から突き刺したヒールをどけた。
ヒールが離れたことを残念がる剣司に兎仙は跨がる。
両脚で剣司の身体を挟み込むと兎姫は倒れ込んで剣司にキスをした。
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