第5話 バーベキュー

 俺達は、キャンプの準備を始めた。


 その前に、アイスが溶けちゃうので、それを先に食べる。

 アイスがうらやましいと思ってたけど、チュッチュは懐かしくて美味しい。

 今日はとても暑い日だし、山歩きをした後だったので、尚更美味しく感じた。


 アイスを食べ終わってからテントを張り、バーベキューコンロで炭を起こして肉を焼く。


 周りを見ると、美味しそうにビールや酎ハイらしきものを飲んで、陽気に盛り上がっているが、俺達はまだ誕生日がきてなくて未成年なので、ジュースやお茶で乾杯する。


 準備には結構時間がかかったので、ちょうど夕食の時間になっていた。


 最近はフォンデュやアヒージョやピザみたいな、オシャレだったり手間がかかる料理をするのが流行っているらしいけど、俺達は肉と野菜と、最後に焼きそばっていう超オーソドックスなバーベキューにした。


 お酒を飲むわけじゃないので、本当にただの夕ご飯だ。


 俺:「肉ウマ!」

 アユタ:「お前、肉ばっか食うなよ。野菜も食べろ。」

 俺:「野菜ってさ、なかなか丁度良く焼けない。生か、コゲか、の2択にしかならん。」

 佑:「野菜ってさ、サラダで良くない?」

 アユタ:「肉ばっかに集中して野菜ほったらかしにしてるからコゲるんだ。もっと野菜にも愛情注いでやれよ。」

 俺:「オレ、浮気しない主義〜。肉一筋じゃ!」

 佑:「の割には、牛・豚・鷄は浮気し放題じゃん。」

 俺:「それは、言っちゃイヤ!」


 アユタ:「サラダがいいなら、サンチュ買ってあるよ。コチュジャンも。肉巻いて食べるとうまいよ。」

 俺:「キムチは?」

 アユタ:「ある。カクテキもある。あと、甘塩きゅうりとか。」

 俺:「アユちゃん、女子力高いな。しゅき!」

 アユタ:「女子力じゃないぞ。今時男子いまどきだんしのたしなみだ。ま、オレ元々料理とか興味あるんだよね。これは買ってきただけだけど。」


 俺:「そんなの買ってたって全然知らなかったぞ。いつの間に?」

 佑:「オレも。何買ったか覚えてない。オレ飲み物とお菓子担当だったから、それしか記憶ない。」

 俺:「オレも肉しか見てなかった。」

 アユタ:「お前ら…。」

 アユタはほぼ全部お任せだった2人にあきれる。


 佑:「それじゃあさ、もっと流行りのキャンプ飯にすればよかったね。変更する?」

 アユタ:「それ用の材料無いよ。次回のために出し惜しみしとく。」

 俺:「うわー、上がるなぁ。じゃあ俺も次は何か考えよ。」

 アユタ:「期待するぞ!」

 俺:「ヤバい、プレッシャーや!」


 シメの焼きそばはアユタが作る。料理男子なだけあって、麺の硬さも味付けもバッチリだ。

「めちゃウマ!」ただの焼きそばなのに、オレと佑は軽く感動した。


 お腹いっぱいになったので、しばらく休憩してから片付ける。


 俺:「バーベキューってさ、楽しいけど後片付けが面倒っちいよな。」

 アユタ:「まあな。次はもっと簡単なやり方にするか?」

 佑:「でもさ、これぞ“キャンプのバーベキュー”って感じだけどね。」

 俺:「朝はどうすんの?朝もコレだったら大変すぎるな。」

 アユタ:「朝はカセットコンロだ。」

「賛成!」俺と佑は声を揃えた。


 片付けが終わり、車で5分くらいの所の温泉へ行く。

 天然温泉で熱すぎず、丁度いい湯加減の温泉でまったりする。

 温泉から出た後は、やっぱり瓶のコーヒー牛乳!ちゃんとここにあるのが嬉しい。

 かなりスッキリしてまたキャンプ場へ戻る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る