第3話 RPG風オリエンテーリング初級②

 4個目のポストに着いた。

 敵キャラはタヌキだ。


『問題:15-10×2+8=


①3 ②18 ③50 ④-13』


 俺:「なんか、普通の問題だな。」

 アユタ:「逆に引っかけ?」

 佑:「素直にいけばいんじゃね?」

 俺:「じゃ答えは?せーの、」

「①」「①」「②」

 俺:「誰?②?」

 佑:「あれ?②じゃないの?」

 アユタ:「佑ー、マジかぁー。」

 佑:「ごめん、勘違い!」


 答えは①


『ヒジリは“マジックハンド”と100コインを手に入れた』


「またウケ狙いのアイテムかぁ。」と俺。

「俺はおの。薪割りしろってか。」とアユタ。

「俺はヌンチャク鎌。ギリ攻撃アイテム。」と佑。


 また次のポストを目指す。

 次に途中にあった看板はサルの絵で、木に吊り下げられていた。


 俺:「サルって、怪しくない?」

 アユタ:「じゃあ俺やってみようか?」


 アユタは『捕まえる』を押す。

『アピュタはサルをゲットし、サルはお供することになった』


 佑:「えー、ペット?いいね。

 あ、俺はリンゴと50コインくれた。でもお供じゃない。」


 俺:「じゃ、やっぱりやってみようか…。」


『ヒジリは“マジックハンド”をサルに取られた。サルは逃げた』


 俺:「ほらー!やっぱそういうやつ!

 何?俺、オチ担当?」


 アユタ:「まあまあ、マジックハンドはいらないっしょ。それに、サルがお供でも何も意味なさそうだし。」


 俺:「ま、コイン取られるよりいいか。次行こ。」


 5個目のポストがあった。

 敵キャラはイノシシ。


『問題:イノシシの肉の別名は?


①ぼたん ②さくら ③もみじ ④熊』


 俺:「イノシシのキャラでこの問題は微妙だね。ちょっと可哀想?」

 アユタ:「じゃあ、倒さないであげて。」

 俺:「いやいや、そこはシビアに。」

 佑:「あれ?これ俺分からないかも、何?」

「教えな〜い。」と、俺とアユタは声を揃えた。


 答えは①


『ヒジリは“復活の呪文”と100コインを手に入れた』


 俺:「やった!復活の呪文ー。」

 アユタ:「俺も!でも、相手の攻撃無くね?いるのか?」

 佑:「あー俺やられたー。」

 アユタ:「え?間違えたの?ダッサ。」

 俺:「やられたらどうなるの?」

 佑:「HP下がった。ちょっとだけ。」

 アユタ:「どんな攻撃?」

 佑:「体当たりでぶつかってきた。」

 アユタ:「あーイノシシらしいね。」

 俺:「やっぱ、復活の呪文いるかもね。」

 佑:「俺も欲しかったなー。」


 次へ進む。

 また途中の看板を見つけた。今度は星の絵だ。また木に吊り下げられている。


 3人共、読み込む。


『“星に願いを”を手に入れた』

 3人共同じだった。


 アユタ:「おー、メルヘン。」

 俺:「何願う?」

 アユタ:「んー、大金持ち、かな。」

 俺:「へーそうなんだ。」

 アユタ:「俺、割と野心家だよ。お前らは?」

 俺:「俺は、安定した幸せな人生。」

 佑:「俺は、現状維持。」

 アユタ:「2人共、あんま夢ねーな。」

 3人は笑った。


 6個目のポストに着いた。

 初級はこれが最後だ。


 アユタ:「ラスボス、クマ!予想通り。」


『問題:〝所謂〟の正しい読み方は?


①しょせん ②いわゆる ③しょい ④こんな単語はない


 俺:「これは迷うな。①か②か。検索する?」

 アユタ:「いや、それはやめようよ。つまんねーじゃん。」


 佑:「俺、②だと思う。」

 俺:「佑さっきから間違えてるからなー、アユタは?」

 アユタ:「俺も②だった気がする。最近見たような?」

 俺:「じゃ、②だ。最後だし、せーのでやるか、せーの!」


 正解!やった!

 佑:「あれ?倒れないよ。」


『相手の攻撃:クマは顔を引っ掻いてきた』


 アユタ:「うわ!攻撃してきたぞ!ラスボスだからだか?HP下がった!」


『プレイヤーの攻撃

 問題: 今 何時?


①いちじ ②にじ ③さんじ ④よじ』


「今。何時だ?」俺は時計を見た。

 アユタ:「2時45分。これは、2時か?3時か?」

 佑:「3時にまだなってないから、2時じゃない?」

 俺:「じゃあ②だな…」


 アユタ:「ちょっと待って!これ、おかしくない?」


 俺:「え?じゃあ3時か?」

 アユタ:「じゃなくて、問題に今の時間なんて聞いてくる?もし今が10時だったら?」

 佑:「時間によって、選択肢の時間変わるとか?」


 俺:「あ!そういう事か!これは時間じゃない。文字の数だ!」

 アユタ:「だろ?答えは①だ!」


 正解!


 俺:「やっべー、引っ掛かるとこだった。」


『ヒジリは〝秘薬〟と200コインを手に入れた』


 他の2人も同じだった。


 佑:「秘薬って何?」

 アユタ:「さあ?秘密の薬だろ、ヤバいやつじゃね?」

 俺:「そりゃないだろ。小さい子とか向けに風邪薬とか?」

 アユタ:「あ、分かった!クマノイってやつじゃないか?昔ばあちゃんがそんな名前の薬、言ってたぞ。」

 俺:「それな!」


 俺達はスタート地点に戻ってゴールのQRコードを読み込んだ。タイムトライアルの時計も止まる。

『0:52:35』


 俺:「52分かぁ。結構かかったな。」

 アユタ:「ああ、コンパスと地図やっぱ使い慣れてないから難しかったな。」

 佑:「ま、上出来だね!」


 俺達は受付へ向かった。

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