第30話夏休みも終わりいつもの日常、そしてクラス対抗戦
【夏休みも終わりいつもの日常、そしてクラス対抗戦】
夏休みも終わり、今日から学校が始まる。
いよいよ本格的にクラス対抗戦の準備だ。
と思って学校に行ったら・・・俺が教室に入って席に着くと
いつも通り大谷さん達がやってきて
「高谷君、動画見た?」
「何?」
「ほら」
(やっぱり)
#ついに変態袋マンが 国防軍と一緒に川越にはいったぞ
#なんか警察に捕まって連行されてる変態犯罪者(笑)
#変態袋マンと比べると国防軍の人達がカッコイイ
#そりゃあ 変態と比べられたらかわいそー
#変態だもの(笑)
#$‘%’(#“$%)(‘&%$
#$%&‘)(’#
・・・・・・・・・・・・・・・・・
変態袋マンの動画なのですごいアクセス数だったのは間違いなかったけど、俺達が上級ダンジョンに初登場っていうコメは少なくてどちらかという国防軍がかっこよくて、しっかりダンジョンを守ってるって感じの印象が強く、協会の思惑より国防省の方が1枚上手だった、ざまあみろ。
それに少し満足した俺は終始にこやかに大谷さんの話を聞いていた。
2週間後に開催されるクラス対抗戦に向け、学校側もそれ用の設備を夏休み中から準備をしていたようで、学校全体で大忙し、今後はこれを機会にクラス対抗戦を毎年行うという事になったらしく、担任の先生もかなり気合が入っていた。
「お前達、Cクラスには勝てない、なんて思わず、しっかり練習するんだ、クラスは入学試験の成績と能力で決まっただけで、入学してからの訓練次第でCクラスには十分勝てる可能性があるんだから、最初からあきらめず、この2週間はしっかり訓練に励むこと」
なかなか良いことを言うな、Dクラスの担任だから・・・、ちゃんと生徒のことを考えてくれるんだな~、なんて思いながら大谷さん達の様子を見ると、うん大丈夫そうだ。
それと同じ様な事を夏休み前に言って励ましているし、夏休み中もさゆりさんやゆうが訓練に付き合ってくれたんだ、3人共そう思っているようで何より。
これからの2週間は、授業は午前の講義だけで午後からはクラス対抗戦の練習、ただ全学年が行うので闘技場は指定日のみ、一応グラウンドや体育館、室内各闘技場も解放するみたいだけど、それ以外は各自で練習場所を確保しなければならない。
大谷さん情報によると、指定日以外はDクラスの皆はだいたいは豊島ダンジョンの1階層で練習するようだ。
でも、3年生のA、Bクラスは探求大学受験用実習闘技場を専用で使えるからダンジョンにはこないだろうけど、他の3年生や2年生、1年生はおそらくダンジョンを練習場に使うと思われ、
練習の事を考えるとモンスターが弱い1-3階層に集中するだろう。
ダンジョンの中は夏休みどころではなくなるな~、滅茶苦茶混みそう、練習になるのかなーって皆が心配している。
俺達は・・・・・・さゆりさんが大学のダンジョン部に掛け合ってくれ 大学所有の闘技場を使わせてくれることになったのでそこで訓練している。
午後、学校に校外練習の届けを出して、装備を借り、東部柳沢駅に行く、ここに大学の訓練用の闘技場がある。
ここは探求高校の生徒は俺達以外はいないので、のびのびと練習できるし、周りを気にしないでなんでも言える。
Cクラスは、5名×3パーティー、4名×4パーティーの計7パーティー 31名
Dクラスは、5名×2パーティー、4名×3パーティーの計5パーティー22名
おそらく Dクラスの(実質)リーダー姫野君のパーティーが2回は戦うとしても、俺達の成績次第では2回戦う可能性がある。
皆はそう思っていないようなので、俺がその事を言うと
「姫野君ががんばってくれるんじゃないかって思ってたのに、2回もやるの? 高谷君、ほんとうに勝つ気なんだね、」
(当然だよ)
「大丈夫、連携さえうまく行けば絶対勝てるって」
俺は引き続き、連携プレイを重点に、そのための各自役割を確認して、特訓項目を挙げて、練習することに。
結構頻繁にさゆりさんが練習を見に来てくれ、楠さんにプリーストの特訓、伊達君に剣の訓練と盾の訓練につきあい、ゆうも学校が終わってからだけど、やってきてくれ、大谷さんを指導
俺は自主練を続けた。
大学の闘技訓練所での練習初日、学校と違って、周りは大学生がパラパラで他は誰もいないし チャイムも鳴らないので気づいたら結構な時間になって2人はヘトヘトに、楠さんにヒールをかけてもらったけど、そんな楠さんもヒールの使いすぎでヘトヘトに、ヒールが効かなくなっていたけど、それも訓練だってさゆりさんの指導らしく、確かに以前よりもヒールの回数が多く使えるようになっている。
次の日は休息も兼ねて、ミーティングだけにしてそれからはスマホタイマーを利用して定期的に休憩を入れながら訓練するようにした。
///////////////////
国防軍との川越ダンジョンイベントから2週間後
いつものように、皆にはさゆりさんと打ち合わせと言って俺だけ先に帰り虎ノ門で2人と待ち合わせ。
この前買取所で会ったんだから別にいいだろう、って思いながら応接室で待っていると
機嫌の良い須藤さんが
「よお」
「はあ」
最近、須藤さんと話すのはもっぱら俺の役割に、何か重大な事を言うとき、俺がしくじった時にさゆりさんが発言するように変わっていた。
「いや~この前はほんと助かったよ」
「はい」
「しっかし、協会も思惑がはずれて、ざまあだなハハハ」
「ハハハ」付き合い笑いだけどね
「本当に君達には申し訳ないと思っているんだ、同じ境遇者なのに、守ってあげられなくて本当にすまなかった」
そう言ってまた頭を下げてきた。
でも、やっぱり協会の人間、しばらく様子見で距離は置く。
「いえ」
「協会本部長が管理局から、色々イヤミを言われてるんだそうだ、 これで、今後はあまり無理は言ってこないだろうな、まあ、もし言ってきても、今までよりもっと強気で対応できるよ」
「はあ」
「それで、これ」
そう言って、この前のような小さなカードと紙袋
中身を見ると、ヤヤコカード10万円分とPカード20万円
「??」
「川越はファミラの袋だったろ?」
「はい」
「ゼーンブイレベンがあわててこのカードをよこしたんだ、それと、ファミラがこのPカード。 これからもよろしくと言ってな、うちの袋を被ってくれたら、その度に20万円分だそうだ。君達も考えたな、次はどうする? ラーソンか?」
「はあ」
「なんなら、ラーソンに話を付けようか?」
「ははは、ちょっと考えます」
「かっくん、やったね、この調子ならずーっとコンビニは ただ、だね」
「ゆうが仕組んだの?」
「うん」
「そうだな、こういうちょっとしたご褒美があると違うな高谷に感謝かな」
「はい」
さすがゆう、色々考えてるんだよねな~
俺達3人は、調査のため あれからも何回か豊島ダンジョンの15階層から20階層に潜ったけど、何も変化もなく、その事を須藤さんに報告した。
「15階層から20階層は、10回ほど潜りましたが、何も変化もなく、おそらく不定期に迷いモンスターが出たんじゃないかと思います」
「そうか、それじゃあ、20階層までは問題はないが要注意ということで報告する。ありがとう」
「はい」
「引き続き21層から深層部の調査をお願いする」
「それと、今回の調査に関する報酬だけど、30階層まで完了した時点で支払う予定だから、そちらもよろしく頼む」
「はい」
おじさんの事は何も言わず簡単な報告で終わった。
家に帰って、ヤヤコカードを陽にあげることにした。
「これ10万円分入っているから、好きに使っていいよ」
「こんな大金の入ったカードどうしたの?」
あっ、そうだ、俺がこんなカードを持っていること自体がおかしかったんだ
「さゆりさんが、ダンジョンに入った時、素材を提供したらお礼に何枚かもらったんだって」
「そっか、さゆりさんって本当にすごいんだね」
「ああ」
ますます陽はさゆりさんに対する思いを強くしてしまった。
ひょっとして・・・。
「さゆりさんが、ちゃんと使うようにって、言ってたぞ」
「そっか・・・大切にしまっておこうと思ってたのに・・・」
(やっぱり)
「陽が一生懸命訓練しているから、そのご褒美だと思うぞ、だからそのカードでスポーツドリンクとかアイスやスウィーツとかを買って休憩したときに使ってほしいんじゃないか?」
「うん、わかった、そうする」
「ああ」
「さゆりさんにお礼を言いたい」
「そうだな」
「うん、兄さんからも言っておいてほしいの」
「ああ、ちゃんと言っておくよ」
「うん! 兄さん、ありがとー」
「おお」
後でさゆりさんにその事を言ったら
「そうか、わかった、確かに高谷が10万円のヤヤコカードを持っていたら不自然だな」
「はい」
それから陽の自主練がどんどんハードになっていったのは……俺のせいか……まずいな
「陽、ちゃんと勉強もしているか? もし成績が下がったら、ダンジョンには連れて行かないからな」
「はい、大丈夫です」
よかった、陽はできる人間だから、ちゃんとやることはやってるんだな、安心したよ。
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