第7話探求高校入学式

【探求高校入学式】

いよいよ入学式、緊張する。

普通の進学校のつもりが、ダンジョン探求に特化した高校、何が起こるんだろう。

1学年約100名 少ないな~探求者だから?

それって選ばれ者って言う事?フフフ。

クラス表を見ると、俺はDクラス、教室に入って座席表を見て自分の席に座る、上級生がクラス全員を呼び出し体育館へ。

・・・・・・やっぱり探求高校だけあって、入学式の校長の挨拶も在校生代表の挨拶も、探求者として一流になることを目指すような内容ばかり。

ただ、ここでは、とにかく探求者、探求者、で冒険者の名前は一切でてこない。

最初は同じと思っていたけど、まずは探求者と冒険者の違いを少しでも理解しなければ、そんな事を思いながらクラスに戻る。

担任が挨拶と自己紹介をして、説明を始めるがここでショッキングな事がわかった

入学試験の時、レベル測定も行われたらしく、俺は本当にレベル3で底辺だった。

一般人はほとんどレベル1で3以上はほとんどいないし、一生レベルが上がらない者もいるらしく、そういう事だから一般人よりはレベルは高いけれど、まあ高いからこの高校に入れたらしい、でも、それでもこの学校では最低レベル……ちょっとショック。

今までの合格者のレベルを調べると、過去最高はレベル15。

レベルが高い順からクラスが決まるらしく、最低がレベル3だった。

つまりAクラスからレベルの高い順にクラス分けされ最低レベルがDクラス・・・俺、底辺、

でも俺はレベル85だ! なんて怖くて言えない、怪しまれるの確実だよな。

ここで初めて知ったけど、国立探求大学というのがあって、レベルの高い優秀な探求者が入ることができ、そこを卒業すれば、国家公務員のダンジョン管理局の総合職、いわゆるキャリア組、探求協会の幹部職員、超優良企業のダンジョン探求部署のエリート職などなど、将来が・・・・・・

母さんが出た国立帝都大学に匹敵するほどの明るい未来がある。

う~ん知らなかった。

今日、学校が終わったら早速、ゆうに話さなくちゃと思っていたら、学校で全員探求者登録をすると言われたので、思わず聞いてしまった

「探求者と冒険者はパーティーを組む事ができるんですか?」

問題はないと言われたので一安心、ダメなら冒険者登録もすればいい話だけど、高校1年生は指定される協会登録は無料で登録できるけど、それ以外は直接協会へ行って登録しなければならず、この場合登録料がかかるらしく、それが結構な金額でちょっとびびっていたけど、問題ないと聞いて助かった、これでゆうとパーティーが組める。

なにせ、ゆうはレベル88、俺の知ってる限り、この世界では最強のプレイヤー。

色々説明を受け、今日は初日という事もあってこれで終わり、最初の1週間はダンジョンと探求者についてのオリエンテーション

早速、ゆうにレイン、

即既読がつき、返信、俺の家でゆうを待っていると

「おじゃましまーす」あれ?ピンポンが鳴らなかった

「ゆう、どうやって家に入った?」

「うん、合鍵もらったから」

「えっ?」

「この前の日曜、おばさんに」

「・・・」

「何?」

「いや、まあそういう事なら」

「うん、で 何かわかった?」

「ああ」

そう言って俺のクラスの話、探求大学の話、など話し終わると

「へーっ、かっくん、最低クラスなんだ、そっかー落ちこぼれなんだー」ニヤニヤ

「ああ・・・・・・」

「笑っちゃうね、でも本当の事言えないし」

「そうなんだよ、隠し通すか、ちょっとだけ実力だしてクラス変わるか、なんだけどしばらく様子を見るよ」

「そうよね、でも、私たちゲームでレベル上げておいてよかったよね」

「そうだな、このままでも探求大学行けそうだし」

「うん」

「ダンジョンに入れるようになったら、レベルどおり動けるか確認しなきゃな」

「うん」

日本のトッププレイヤ―が70前後にもかかわらず、普通の高校1年生が88とか85なんて知られたら、モンスターが人間に化けて侵略、未知のモンスターに憑依された人間、人外?そう疑われて、最悪捕まって解剖されちゃったらどうしよう、というのが俺達2人の見解。

お互い今日わかった情報を共有し、また明日に備える。

次の日、学校では、協会の行政官?の人達が来て1年生全員、探求者登録をすることになった。

全員が協会に行って登録するなると、現場が混乱する。

探求高校はそれ専門に特化した高校だから毎年行政官が数名やってきて学校で全員の登録をする事になっているらしく、この時、もう1度レベル判定もすると聞いて、入試の時に計ったんじゃないのか?

俺のレベルがばれたらやばいんじゃないか?

あせって聞いてみたら、入試の時は人数が多いので簡易計測だったらしいけど、これからは探求者活動をするのだから正確にちゃんと計測するんだそうだ。

やばい、仮病を使って保健室に行って後日・・なんて思っていたら、Dクラスは希望者だけでOKという事で俺のレベルはばれなかった。

1学年はだいたい100名いるから、それだけでも大変なんだろう、

つまり落ちこぼれクラスに時間をかけるほど暇ではないと言う事なんだろうけど、最低レベルはダンジョン活動で上がるだろうから今は図る必要はないと言うのが建前。

それよりも、今年のAクラスにレベル16が1人いたらしく、高校始まって以来の快挙とかで大騒ぎした事もあって、助かった。

ばれたら、何がおこるかわからない、

新入生がレベル85なんてわかったら、人間じゃない、人間型のモンスターだ!とか?レベル解明のため国に拘束され・・・解剖されたらどうしよう・・・先日、ゆうと話していたことが頭の中をかけめぐりハラハラおどおどしていたけど、それと同時に、なんでレベル16なのに、自分で言わなかったんだろう、過去最高レベル者なんだから、今日の測定の前でも、周りは黙っていないだろうし、うわさくらいは聞こえるはずなのに。

そう思っていたら、どうもステータスはダンジョンに入って初めて見えるようになるらしく、それまでは自分では見れないらしい。

だから、皆自分のレベルを知らなかったんだな~。

ゲームの世界では登録した時点でステータスが見られるようになるけれど、現実世界ではそういう事なんだろう、どういう仕組みかわからないけど。

自分のステータスが見れる俺、ますますやばいじゃん。

今日帰ったら、ゆうとの相談事が増えた。

それも最重要課題の内容かもレベル隠しの方法

全部隠すのが無理でもせめてレベル10以下には抑えて偽装できないと色々とまずい。

とりあえず登録が終わったので、学校が終わってから、というか、今度の休みとかにはダンジョンに入れる、初級だけど。

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