第4話 チア部の恋愛応援!?

あれからというもの、明里と瀬奈、それからうちのたっくん取り合い合戦は白熱試合にまで発展してたの。たっくんは鈍感だから、うちにしか今は寄り付かないんだけどね。


明里「あかね、昼休みに匠さんへ差し入れするの!」

あお「たっくんに?でもたっくんお腹いっぱいで食べれないかもよ?それだったらポンポンを振って、チアスマイルで応援するほうが可愛いじゃん?」

瀬奈「差し入れすると好感度上がるって言われるんだよ。愛央はなんか差し入れするの?」

あお「うちはたっくんにぎゅーするだけ。たっくんぎゅー♡ってされるとなんかくれるもん。差し入れより、たっくんがくれる方がうちは好きだよ。しかもたっくんの好感度上がるもん」

ふたり「逆にくれるの!?」

あお「うん」


うちの学校のチア部は20人いる。その中で1年生は7人。さらにそこから3人でチームを組んで、チアダンスを踊ったりするの。それで瀬奈と明里、うちの3人でチームを組んでいる。でもまさかたっくんの取り合いにまでなるなんて・・・


たく「ふぁー、ねっみ」

あお「戻ってきたよ!」

たく「おかえり。あいちゃんはぐっすり寝てる」

あい「きゅぴー・・・くー・・・くー・・・」

たく「愛央にそっくりだな」

あお「お昼寝の時間だもんね。あいちゃんいっぱい寝てるよ」


チア部はスタイルが大事。高校野球とかでも、可愛い子はとことん取り上げられるってたっくんが昔言ってたんだ。それでうちは、たっくんにこの話をしてみたの。


あお「ねぇねぇ、今度あかと瀬奈を家に呼んでね、チア対決やろうかなって思うの」

たく「えーっと何?どゆこと?」

あお「たっくんが今取り合いになってるから、チア部たるもの応援で決着をつけたいって思って」

たく「どんなに応援したって結局俺が取るのは妹のお前だけだが?」

あお「でも、瀬奈たちの結果も見てあげて、それでさいごに告白させるの。たっくんがそれを決めて」

たく「じゃあ愛央もガチらなきゃな・・・」

あお「うん」


正直不安。瀬奈は身長152cmでツインテールのチアリーダー。可愛さで言ったらうちの中では学校トップ。明里も157cmだけど、ショートヘアだから可愛いの。赤いポンポンとか絶対映えるじゃん・・・。うちはどうしよう・・・。そう思っていると、


たく「ちょいリボン取るぞ」


たっくんはこういって、方南チア部特有の可愛いポニーテールをほどき、髪をいじり始めた。たっくんって、愛央のポニーテール作ってくれるから好きなんだけどなぁ・・・


たく「これでよし」

あお「ハーフアップ!?」

たく「これで午後練行け。瀬奈さんと明里さんに差を見せつけてこいよ。それで自信付けておいで。帰ってきたら愛央の大好きなメシ食わせてやる」

あお「うん!」


たっくんってすごい。一瞬でモテるハーフアップ作っちゃった。でも、チアって髪を結ぶのが必須なんだよね・・・。瀬奈たちになんて言われるかな?


瀬奈「愛央〜!かわいいじゃん!」

あお「ほんと?」

明里「あか達負けるかも」

あお「あ、もう知ってる系?」

明里「うん!ねぇどうしよう、あかも作ってもらおうかな」

あお「あかの髪さ、たっくんなら編み込みしてくれるかも」


明里はそう聞くと、たっくんのところへ行っちゃった。たっくんはあいちゃんのお世話をしてたみたいだけど明里の髪を整えてくれたみたい!


明里「愛央と瀬奈〜!見てみて!」

あお「たっくんほんとに編み込んだの!?」

明里「すごい優しくて、あいちゃんだっけ?赤ちゃんをあやしながら編み込んでくれたよ!」

あお「さすがたっくん、あいちゃんをあやしつつあかの髪作っちゃうなんて・・・」


それからうちらは3人でチアダンスの練習を始めた。それで10分くらい踊ってたらたっくんが来たの。


たく「お疲れさま。練習頑張ってるなぁ」

あい「あーあー!!」

あお「あいちゃーん!ぷにぷにしてて可愛いね」

あい「あい!へへぇ」

瀬奈「お疲れさまですっ♪」

たく「てなことで、差し入れじゃ!」

瀬奈「ほんとですか!?」

明里「匠さん、ありがとうございます!」

たく「二人にはこれね。んでうちの女神愛央っちには特製のマカロンを作ってきた」

あお「たっくんさいこう♡ポンポン持ったままだけど(´。>ω<)ぎゅ〜♡♡♡あ、ねぇたっくんに見てほしいものあるの」


うちはそう言うと食べかけのマカロンをたっくんの持ってたお皿に置いて、二人と一緒に応援したの。踊り終わったあと、たっくんに3人で聞いてみたんだ。


瀬奈「私達の中で誰が一番良かったですか?」

明里「あか、匠さんの好きな色で応援してみました!」

あお「たっくんに作ってもらったハーフアップで愛央応援したよ♪」

瀬奈「瀬奈はツインテールで応援してみました!」

たく「みんなすげぇな・・・ちょ家帰ってあいちゃんにも見せてやるか。結果は明日伝えるからね。じゃあ愛央、帰るぞ」

あお「うん!瀬奈とあか、またね!」

ふたり「ばいばーい!」


部活を終えて寝てるあいちゃんを抱っこするのが最高の楽しみ♡家に帰ると、たっくんはすぐさま着替えて夜飯の準備をし始めた。うちはさっき瀬奈と明里に可愛く応援された分が正直悔しくて、可愛くハーフアップを揺らしながら応援したの!


あお「フレフレたっくん♡がんばれがんばれたっくーみん!がんばれ~っ♪」

たく「何食いたい?」

あお「今日はねっ・・・りんごとオレンジのマカロンに、たっくん特製のカツ丼が食べたい」

たく「お前それ勝つとカツをかけとるべ」

あお「バレたっ・・・」

たく「じゃあ食いな。マカロンはいつもなら2つだけど今日は2倍の4つな」

あお「ありがとう!」


翌朝たっくんはパソコンとにらめっこ。やっぱり悩んでる。うちはリボン付きのゴムでポニテを作り、ブルーのポンポンを持ってたっくんに飛びついたの!


たく「・・・」

あお「(´。>ω<)ぎゅ〜っ♡♡♡」

たく「朝からチアとかあじしたお前」

あお「たっくんを本気で応援したいの!」


うちは初めてたっくんにこんなことを言った。やっぱり無理してるのは見てわかる。たっくんが頑張ってるから。


あお「フレフレたっくん♪がんばれ~♡」

たく「しーっ。あいちゃん起きるぞ」

あい「くー・・・くー・・・」

あお「たくみっ、朝ごはん食べよっ」

たく「珍しいなお前がそう呼ぶのは」


うちは普段たっくんって呼ぶけど、今日はなんかたくみって呼びたくなった。なんか不思議な感覚・・・。

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