第17話 輝かしいご越年を

 あっという間に今年も残りわずかです。


 カクヨムコン名物のハート連打はあいかわらずですが(速読にしても一秒おきの通知はねぇ?)、私は本当に面白いと思った作品しか読み続けられない偏屈なんです。ハートを贈ってくださった初見さんは素敵なめぐりあわせだと思って作品に目を通しますけど、誰が何をしたのか分からない、時系列がしっちゃかめっちゃかに暴れまくる、みたいな状態だと、読む気力が失せます。申し訳ないけど……。


 言いたいことが伝わらない文章を時間をかけて読むのは、仕事外ではやりたくないんですよね。赤ペンを持っている気分になります。





 生徒が冬休みになっても、教員は二八日まで仕事です。三者懇談の日に都合が合わなかった保護者の方と面談をしたり、三学期の授業準備などをしたりします。


 三学期は三年生が自由登校期間になるので、実質は一・二年生のみの授業準備です。共通テストや一般受験を控えた生徒に対策問題を渡すことはあるでしょうが、少しは業務の負担が減ります。担任の先生の疲弊ぶりを見ていると、来年以降の自分が心配になります。


 おそらく次年度は担任を任されるはず。教科担として接するだけでも悲喜こもごもがあるのに、世話の焼ける子を四十人以上もまとめるのは胃が痛くなりそうです。大事なお子さんを預かる立場ですから、良い方向に成長させたいものです。家でも学校でも遊んでばかり、というのはよろしくないですからね。


 なお、仕事始めは一月四日です。カレンダー通りの休日ですから、六日間だけではカクヨムコンの加筆修正が間に合いそうにありません。三が日は初詣や親戚の挨拶、カープの新春特番などで忙しいのです。さすがに二七と二八は有休を取りました。


 夏に一日申請したので、これで三日消化したことになります。あと二日は三月に取得すれば、年休五日の義務を果たせます。お子さんがいる先生は参観日や発表会などで有休を取られていますが、私は連休にしたい日がない限りなかなか有休を申請できません。なんだかんだ楽しみながら働けている証拠かもしれません。同僚も設備も福利厚生も充実していますし。生徒が学期ごとに記憶をリセットする怒りはありますが、そういうものだと受け流しつつ同じ内容を何度も叩き込んでいくしかありません。


 この一年の私の成果は、動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の活用表を自分が完璧に暗記できるようになったことですね。現役高校生のときは毎日覚えてやっと習得しましたが、いろんなクラスで同じ解説をすると骨の髄まで染み込んでいったみたいです。




 先生と言えば、「さよならと問う」の晃太朗が教育実習に行く場面を書きました。


 あれ、かなり私の実体験を踏まえています。たとえば、めあてが固いと言われたり、いらん発言だったよねと諭されたりした場面。指導教員はあそこまで厳しい言い方をしていませんでしたが、それはフィクションのキャラ付けなので、徹底的に厳しくしました。


 思うように授業ができなかったり、指摘されてへこんだりした実習でしたが、あのときの失敗は今の仕事にきちんと役立てられている気がします。「月夜の浜辺」の学習指導案を、USBメモリに保存しておいて良かったと強く思います。自分が書いた学習指導案は、著作権の問題が発生しませんもの。


 第二章はストックなしで投稿しているため、規定文字数どうしようと悩んでいたころより下書きの文字数がどんどん増えています。二万字程度しかなかったのに、四万字近い文字数になりました。


 一日三千字ペースを一週間守れば、文字数がいくものですね。日々の登校時間を守ろうとすると、潜在能力が開花されるのかもしれません。やはり背水の陣はすごい。


 十二月中には念願の十万字に届きそうです(下書きだけど)。これも読者の皆さまの応援コメントのおかげです。小夜や晃太朗に向けられる言葉から、この場面はもう少し加筆しておこうなどと参考にしているんですよ。「さよならと問う」の連載を始める前は、ライトノベルではないし流行りのジャンルでもないけど読み続けてもらえるかどうか一抹の不安がありました。ハートマークが灯る度、「あざざます!」「あざざます!」とアーニャのように歓喜しています。


 第二章のラストはまだ書き上げていないので、この土日で断片的なイメージをつなぎ合わせていきたいです。


 読者の皆さまの輝かしいご越年を、心よりお祈り申し上げます。

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