左片眼を撃ち抜かれた航子

コンバットドレスに大量の血液が飛び散り、痛痛しい。

戦場から逃げたい一心で、他の事は考えられなかったのだろう。

左袖から鎮痛剤を取り出し、飲む。

「ハァハァ」

「ハァ」

「ここまで逃げれば」

「ハァ」

「怖い」

「私は、戦うことが怖い」

アスファルトに天雫が打ち付ける

洞窟の入り口に先客あり。

「誰？」

「誰だ」

航子が、声を荒げた。

「戦場の迷い子、逃げてばかりは、フラワー騎士（ナイト）に非ず」

暗がりの中に鋭い眼光。

『花の扉の頭脳』こと、夜風眞雪登場。

ACT.19 『今日は少し逃亡　後　雨』終

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