続ける過去

「ありだ!」

「ありなわけねぇだろ!」

講義が終わった昼

 大学の食堂で騒いでる馬鹿どもか。誰かと思ってそっと顔を見てみると、あいつらかよ。幼馴染の二人だ。一応声をかけるか。これがお前ら常人のなんだろ?

「おいお前ら、ここで何の論争してんだよ?」

「女子はまな板かぼいんのどっちがいいかだよ!」

さすが俺の見込んだバカだった。

「ンなもんどっちでもいいだろ」

「はぁ⁉ぼいんがいいに決まってんだろ!おっπの道を間違いんなよ!!」

「ふざけたことぬかすなよ!」

ぼいんがいいらしい。ぼいん派が中学からの同級生、桑田一樹。単純な奴だ。ちなみにこいつの彼女はまな板だ。で、まな板派が高森竜星だ。こいつはPCオタでものすごく頭が切れるやつだ。笑っているときでも、常に目だけが笑っていなくて感情が読めない。まあともかく、こいつらが俺のとかいうやつだ。

「どーでもいいけど、今日飲みに行かねー?」

今このタイミングで誘う奴がこの世に存在するとは驚いたものだ。おっπ論争せんそうの真っただ中に飲みの予定をたてようとは、ある意味大物なのかもしれないな。だが今日は酒よりもおっπよりも大事なものがある。

「わりぃ。今日は用事があるんだ」

今日はからの指令がある。月に1回の楽しみだ。なぜがそんなことを頼むかは知らないが何でもよかろう。

「マジかよ、つまんねぇやつだなぁ。じゃあ二人でいこーぜ。」

別に酒など一人で飲めばいいではないか。一人だろうと何人だろうと味なんて変わりはしないじゃないか。

「だからわりぃって、今度おごるからよ」

一応形だけは謝っておく。絡まれても嫌だからな。

「マジ⁉ラッキー」

本当に単純な奴だ。扱いやすくて助かるぜ。


  夜

 さあ、俺の舞台だ。の言う通りのshowtimeと垂れこもうか。

ここがどこかって?港だよ、港。漁港だ。釣り人が一人のところへ行って........

後ろから声をかける。たわいもない釣り談議に花を咲かせながら魚を釣る。おっと、あたりだ。まあまあのサイズの魚だ。ここから、何気ない素振りで神経締めの道具を取り出し、その中の長めのニードルを構える。ふにゃふにゃのワイヤーのやつじゃないぞ。中からワイヤーを通すタイプのやつだから、簡単に言うなら先のとがった硬いストローだ。そして隣のやつにプスリ。あれ?もしかして魚に刺したと思ったか馬鹿どもめ、隣のだ。うなじにニードルを突き刺し、頭蓋骨の大後頭孔まで通しかき回す。脳みそをぐちゃぐちゃにして、一瞬で完了。これを買うためだけにカモフラージュとして釣りを始めたが、予想外に痛い出費だった。苦学生には2万円でも厳しいぜ。でも意外とハマってしまった。釣った魚の最後の生命いのちをワイヤー一つで簡単に奪う。なんという快感、なんという愉悦!

 そしてこの死体は、すぐそこにある水産加工工場の魚肉をミンチにするあれだ。それをこっそり拝借してミンチにする。簡単だなぁ。人肉の混ざったものを食べてしまう人もいるということだがな。取れる分だけはかき集めてレジ袋に入れる。これで次の釣り餌を確保できた。実質ノーコストだ。内臓のつぶれる音、背骨が砕ける音、飛び散る血の香り、溢れる脳漿の色、美しい。これで月一のの命令も遂行できたかな。が満足すればいいのだ。と、結果的には自分の欲望を満たせれたかな?明日からまた講義がある。でも、また来る一ヶ月後のことを考えたらあっという間、胸が弾むさ。

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