精霊の森の異変

「なんなんだ、ここは……」


 かつて見た綺麗な景色は何処へやら、死の匂いがそこかしこに漂っていた。

 ここは、精霊の森のはずなのだが、どこか異様な雰囲気だった。


「これは、いったい……」


 まるでおとぎ話の災厄の獣が通った後のような感じだ。

 辺りは毒に包まれ、毒に耐性のある生物以外は屍と化していた。


「まずは精霊を探そう」


 状況的に精霊が生きている可能性は皆無だろうが、精霊王が簡単に死ぬとも思えないのだ。


「ミリア、頼めるか?」

 

 僕がそう言うと、彼女は剣に形態を変える。

 

「皆、箱に居てくれ」


 そういうと、ルナリィーとミリア以外の精霊は大人しく戻る。

 さて、行くか……。


 僕は森に入っていくと、中は余計に不気味極まりない光景だった。


 幾度かモンスターには遭遇したが、それほど強い敵ではないので薙ぎ倒した。

 そうして精霊王のいるはずの精霊の城に着く。

 そこは、まだ大丈夫なようで、目の前には複数の毒系モンスターが居た。

 それもB級以上のランクの魔物ばかりだ。

 中にはA級もいる。

 精霊の結界を壊せずにいるのか、奴らはその場に留まっている。

 これを相手にするのは、流石に骨が折れるな。

 B級までなら殲滅できるが、A級もいるとなれば少し骨が折れる。

 数で押し切られれば、僕達の方が圧倒的不利なのだ。

 そう思っていると、魔物の群れの中に面倒なのが居た。

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