戦闘

「流石に厳しいか……」


 目の前にはS級のモンスター、バジリスクが居た。

 この猛毒の大半は奴の仕業で間違いなさそうだ。

 僕一人で戦うにせよ、ルナリィーの手を離せないのだ。


「ミリア、少しの間だけ、全体異常無効出来るか?」

「わかった」


 そう言うと、僕は彼女の剣を地面に刺す。

 そうして半径二メートルほどの円陣が出来る。

 これはミリアの魔力の消耗が激しいが、ここを抜ければ大丈夫だ。

 

「ラナークとレティー、セリス……雑魚は頼めるか?」


 レティーは少しミリアの性質を持っている。

 だから、少しくらいは耐性があるが長くはもたないだろう。

 三人が出てきて、セリスが二人を装備する。


「ベル、レイン……頼む」


 この二人ならベルの極振りの毒耐性強化で何とかなるだろう。

 彼女の能力は一点に集中すると爆発的に上がるが、それ以外が強化できないという弱点がある。

 だが今は毒耐性さえ何とかすれば、B級くらいなら何とかなるだろう。


「ベル、やるわよ」

「毒耐性強化~!!」


 そう言うと、金色の魔力がレインを覆った。


「ミリア、どのくらい魔力はいけそうだ?」

「魔法を使わず持って五分といった所だよ……」


 かなりの毒量なのだろう。

 通常ならほとんど減らない彼女の魔力もこの濃度にはそれなりの魔力が必要なのだろう。

 剣を抜くと、魔法は解除される。


「いけそうか?」

「私は大丈夫よ……」

「私も、平気です……」

 

 二人とも平気な顔をしているが、どこか苦しそうだ。

 

「レインとベルはA級、三人はB級を頼む……僕は、S級を倒す」

 

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