探索

 場所は王都東……彼女達の欲しい素材がここにあるとのことで来てみたのだが。


「思い出した、ここはお前の故郷だったな」


 知り合いのドラゴン族の女の子がいた。

 前に一度、龍狩ドラゴンスレイヤーから助けた少女だ。

 氷のような綺麗な水色の髪を腰まで伸ばしたフィオナという少女と再会した。


「久しぶりだね、貴方」

「貴方!?」


 その言葉と同時に、エレナに胸倉を掴まれる。


「どれだけ女に節操ないのよ、アンタは!!」

「誤解だ誤解!!」


 あと、僕はまだ卒業してないからな!!


「フィオナからもなんとか言ってくれ」

「………キャッ」


 やめろって誤解が広がるだろうが!!


「エレナさん」


 ラナーク、誤解を解いてくれるのか!!


「フィオナは昔、主が龍狩から救った子で、それ以上でもそれ以下でもないです」

「向こうはそのきみたいだけど?」

「あれ以降会ってないので、何もないはずです」


 ラナークのお墨付きをもらい、納得したのか彼女は僕から手を離す。

 最近、こんな感じばかりな気がするのは気のせいだろうか。


「ねえねえ、レウルは今日どんな用事で来たの?」

「龍族の持つ素材が欲しい」

「あぁ、そういう事……ちょっと待っててね」


 彼女はそう言って自分の家に入り、しばらくして袋を持って再び現れる。


「はい」

 

 そう言うと、袋を手渡される。

 それは、魔力を帯びた石だった。




 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る