セリスとミリアの場合

「どうしますか? これ……」

「ラナちゃんの寝顔可愛い~!!」


 ラナークの根顔を見ながらミリアは悶えていた。

 その光景にセリスは少し引いていた。


「これ、起こすべきですかね?」

「駄目よ、彼が起きたら面白そうになるからやめなさい」

「面白いって」


 性格悪いなとセリスは思った。


「さて、この状況を見たらどういう反応するかな~?」

「性格悪いですね」

「悪くないさ、こういう過程を見るのが楽しみじゃないか」

「なんの過程ですか」

「せっかくだし、君も寝てみればいい……そうすれば余計に面白い」

「い、嫌ですよ……」


 ミリアから見れば満更そうでもない彼女の顔に余計に悪戯心に拍車がかかる。


「まぁまぁ、彼に覆いかぶさるようにして……」

「私を巻き込まないでください!!」

「……んっ……うるさいぞお前ら」


 そんなことを言いながら騒いでいると、レウルが目を覚ました。

 

「なんだ、この状況……」


 二人とも何も言えなかった。

 言ってはならない乙女の禁忌な気がしたからだ。


「よく眠っていたわね……」

「あぁ、それより……聞くまでもないか……」

 

 寝ていいる子達を見ると、レウルは状況を察する。


「どれくらい眠ってた?」

「三十分ほどよ……身体の調子はどう?」

「もう大丈夫そうだ」

「無理しちゃ駄目だ、君は魔力がまだ本調子ではないのだから」


 身体は魔法で治れど、魔力は完全に回復するには時間が掛かる。


「そうだな、少し休ませてもらうか」

 

 そう言ってレウルは再び眠りにつくのだった。

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