添い寝

「どうする? これ……」


 エレナ達が交代なので入っていくと、ラナークとレティシアは彼の両隣で寝ていた。


「じゃあ、私も~」


 そう言ってレティシアを抱き枕にして眠る。


「何してるのノウェム!!」

「何って、添い寝してるだけだよ~?」


 ムニャムニャとあくびをしながら、眠そうな顔で彼女を見る。


「レウルが寝にくいでしょ、やめなさい」

「私も眠い~」

「じゃあ隣空いてるから寝なさいよ」

「もう寝てるじゃ~ん」

「そこじゃないわよ、隣のベッドよ」

「いやだよ~、もう動きたくない~」


 首を横に振り、駄々をこねる。


「それに~、エレナだって寝たいんじゃないの?」


 確信を突くような発言をエレナに言うと、彼女はノウェムを引き剥がす手をピタリと止める。


「このベッド広いし、もっと近くでレウルを見れるよ?」


 ノウェムの誘惑にエレナはゴクリっと唾をのむ。


「ほらほら、ちょっと寝てみ……」

「でも……」

「ほんの少しだけ、やってみて考えてみ?」

 

 そう言われ、彼女はラナークの横に寝転がる。

 顔がよく見える。

 変わっていない……勇者として別れるころと何も……。

 ラナークの可愛らしい寝息も相まって眠気が襲ってくる。


 駄目、寝ちゃ……。

 

 そう思いながらも、眠気に襲われ完全にエレナは深い眠りにつくのだった。

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