龍族

 エリンは息を吐き続け、盾が炎で溶けていく。

 魔力を流し、盾を強化して凌ぐ。

 やがて、息が続かず攻撃が止む。

 そのまま煙の中、彼女に突っ込む。

 

いずち


 突っ込んでくるのが予想していたのか、雷の攻撃を放ってくる。

 僕はその声と共に、横に飛ぶ。

 流石に手強いな。

 ノウェムの使い魔なので、魔法に関してはそこそこ出来る。

 力と魔法、血統……全てにおいて彼女は最強だ。

 

「くそ、強い!!」


 ノウェムの手前、殺したくはない。

 だが、最悪やらねばこちらがやられる。


「レイン!!」


 そう言うと、レインは剣に姿を変える。

 

霧雨むさめ……」


 詠唱すると、剣から煙が立ち込める。

 エリンはブレスを吐こうとする動作を見せた。

 

水盾すいじゅん


 ブレスに向かって水の盾を出す。

 それを殴りこむように、彼女のブレスに向かって投げる。

 ブレスと盾がぶつかり、爆発を起こす。

 それと同時に攻撃時に近くにいたので、彼女は爆発に巻き込まれる。

 だが、流石龍族……熱に強いのか、彼女の身体には傷一つついていなかった。


「きっつ……だけど……」

 

 彼女は膝を落としかけるが、彼女は耐える。

 この状況下でのみ出来る戦い方だ。

 彼女は必死に身体を支え、魔法を放とうとするが、魔法が上手く発動できない。

 この霧はレインの魔力を流し込んである。

 もう彼女は魔法はおろか、力を入れる事すら敵わないだろう。

 エリンはそのまま力が入らず、その場に倒れ伏した。

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