堕羽

「こいつを頼む」


 ディールを縛り、迎えに来たカノンに引き渡す。


「大丈夫なんだろうな?」

「さぁ? ただ、命の保証はある」


 待遇は悪くなるだろうが、命があるだけ良いだろう。


「ついて来てください」

 

 カノンの言葉に、ディールはついていく。

 

「さて」


 門に入って消えていくのを見送ると、王都へ向かう。

 次の標的は、冒険者協会のギルドマスターのジンバだ。


 隠しルートで王都へ入る。

 このルートは、以前ある組織に潜入した際に聞いたルートだ。

 だが、その頃には王国を信用していなかったため、報告はしていなかったはずだが……。

 目の前にはローブを深くかぶった人間が三人現れた。


「お前ら、誰だ?」

「我らは堕羽だば……貴方はここで殺します」


 そうか、協会か……。

 そう言うと、ローブの中から黒い羽根が現れる。

 瞬間、スピードが上がる。

 速いな……。

 天使ほどではないが、それなりに速い。


 それが三人とは、きついな。


「全員、戦闘態勢!!」


 そう言うと、精霊たちが僕の箱から出てくる。


「僕は大丈夫だ、二人の相手を頼む」

「では、ラナークとレティー、私……ミリアはベルとレインで、ミューリはレウルや私達のフォローお願いします」


 全員が返事すると、それぞれが配置についた。

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