会合場所

 場所は砂漠からそう遠くない町。

 目の前の料亭で会合があるらしく、男を連れてきていた。

 

「ここでいいのか?」

「あぁ」


 僕と支部長は顔が割れているかもしれないので、全身鎧を着て冒険者を装いながら偵察していた。

 既に、複数の見た目明らかにそっち系統の方々がうようよと周りを巡回している。


「さて、会合の時間はどのくらいだ?」

「まず、各支部長が集合して各方面の売り上げを上納するんだ……それからその支部の部下が運んで、その後にそれを統括している支部長が現れる」

「お前も準備は出来てるか?」

「あぁ」


 一応、潜入として男装したセリスをこいつの部下として同行させる。


「おかしな真似しないよね?」

「も、もちろんだ!!」


 そう言うと、時間が経ち、各支部長らしき人間が現れる。


 多いな……。

 

 仕方ない、仲間を危険に晒すわけにはいかないので僕も護衛として同行する。


「おう、久しぶりだなテラ」

「あ、あぁ」

「儲かってるかい?」


 一応金は用意してある。

 儲かっている分プラス、僕が乗せておいた分だ。


「あぁ、今回は俺が一番だな!!」

「そりゃ楽しみだ」


 そう言って笑いながら店の奥に入っていく。

 それに続き、僕らも中に入った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る