戦いは唐突に

その日の夜。

 

「おい、皆起きろ」


 防犯魔法に引っかかった侵入者がいた。


「南方向から来ているな、そう遠くない」


 急いで支度を済ませる。

 準備を済ませ、ドアを開けると、この前の天使メビアがその場にいた。

 ここからなら数十分はかかるはずの距離に、もうつくとは……。


「こんな夜更けに何の用だ?」

「貴方に一つお聞きしたいことがあります」

「聞きたいこと? 言っておくが、お前たちの言う通り勇者に手出しはしていないはずだが?」

「それは確認が取れています」

「なら、何故来た」


 天使降臨は命を削る魔法。

 それを使うという事は、よほどのことのはずだ。


「一つ聞きます、貴方は 天使私達の敵ですか?」

「敵も何も、僕は何もしてない」


 そう言うと、彼女は一瞬で目の前に現れた。


「貴方、嘘をついていますね」


 僕の目を覗き込むように見ると、彼女はそう言い放った。


「ラナーク、レイン!!」


 ヤバいと感じ、咄嗟に叫ぶと彼女達は剣となり彼の両手に現れる。

 僕はメビアから距離を取る。


「ラナークとレインですか……」


 どうやら二人を知っているようで、能力は知られていると思った方が良いだろう。

 集中する。

 全く予備動作がなかった。

 これは、不味いな……。 


「敵対と判断、天使ナンバー374メビア……これより、目の前の敵を排除する」


 彼女はそう言って腰に帯刀してい剣を抜いた。

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