魔族の国
「♪♪~」
「楽しそうだな」
ルンルンのラナークに問いかけると、ラナークは嬉しそうな顔で頷く。
「そりゃそうですよ、初めてじゃないですか!! ご主人と何気なく出かけられるの」
そう言えばそうだった。
初めて目的もなく歩いていることなど、村を出てから初めてだった。
エレナが消え、ノウェムが消えて勇者としての使命があったのでそんな暇がなかった。
「どこ行こうか……」
こういうのは初めてなので、どうしていいか迷ってしまう。
エレナの時はエレナが行きたいところに振り回されてたし……ノウェムの場合は村のはずれで一日中日向ぼっこで過ごしていたから、わからない。
「どこへ行きましょうか」
お互いにどうしていいかわからず、考え込む。
こういう時はどうすればいいのだろう。
そう考えていると、何かを考えていたのかポケットから何かを取り出す。
「それは?」
「行く所に迷った時ように、エレナさんから渡されたものです」
こうなることを見越されていたのだろう。
「それにはなんて?」
そう言うと、ラナークは僕に紙を渡す。
手紙を開くと、この魔族の国でのおすすめリストが書かれていた。
まずは服を調達しなさい、レノアの服飾屋という店には話を通しているからこれを見たら真っ先に向かう事。
「ここに向かうか……」
「はい、どこまでもお供します!!」
そう言って僕らは近くの人にレノアの服飾屋の場所について聞きながら向かうのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます