ラナークの能力

 斬撃を躱し続けていくと、溜めていた魔力が消える。

 そして彼女の間合いを詰める。

 彼女はやられると思い、怯む。

 

 攻撃する気はない。

 ここで攻撃しても皆に反感を買うだけだ。

 僕は彼女の頭を撫でる。

 すると彼女は僕の方を見ると一言。


「何のつもりです?」


 ムッと頬を膨らまして僕を見る。


「これで許してくれないか?」

 

 あれ、駄目かな?

 いつもなら「仕方ないですね、今回だけですよ」っと言って丸く収まるのだが、身体を震わせて俯く。


「…………です……」

「ん?」

「……してくれるなら許すです」

「何をすればいいんだ?」

「今度、付き合って……くれたら、許すのです」


 どこかに付き合えという事なのだろう。

 そんなの答えは決まっている。


「わかった、今度行こうな」

 

 その言葉にラナークは照れくさそうに尚且つ、嬉しそうな顔で僕を見る。


「じゃ、じゃあ……許すの……」

「狡~い、ラナちゃん抜け駆けだ~」


 他の精霊たちが異を唱える。

 

「私達も行きたい~!!」

「えっと……」


 精霊の中でも、ベルとレティーが露骨に羨ましそうに見てくる。

 こういう目には弱いのだ。


「っという事なんだが……」

「死にたいのです?」


 再びラナークが剣を出す。

 このままじゃ埒が明かない……そうだ!!

 僕はある提案を出す。

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