前世

精霊の前世は精霊の場合が多い。

 特に精霊剣になる者は前世で精霊剣になった場合が多いのだ。

 

「もしかして先代のレティシアと会ったことがあるのか?」

「あぁ、ずいぶん昔にな……」


 今のレティーがいるという事は何らかの理由で、先代レティシアは死亡したことになる。

 精霊は契約時に名前を与えるとき、稀に前世の名前を思い出す場合がある。

 その瞬間に、与えられた名は消え去り、前世の名前が契約の名になるのだ。

 

「複雑な気分だろうな」

「そうでもないさ、再び彼女を……見た目が違えど、あの姉様が転生して、再び契約しているのを見れて、素直に嬉しいわ」


 この言い方だと、過去に契約して先代レティシアを扱っていたという事になる。


「ウルスラは、先代のレティシアの力は知ってるのか?」

「幼いころに一度だけだけど、見たことがあるわ」


 レティシアはまだ彼女自身が知らない能力があるかもしれないのだ。

 聞く事で少し彼女の力の理解が深まるかもしれない。


「言葉でいい、何か教えてくれ」


 本当なら、訓練で指導してもらいたいところだが、バレるわけにもいかないので言葉で教えてもらうしかないのだ。

 そうして彼女は先代のレティシアの能力を教えてくれた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る