食事会

「私の名前はミリアだ、特にいう事はないが趣味は観察だ」


 重要な部分を濁しやがった。

 まぁ、彼女は薬や調合の趣味もあるので間違ってはいない。


「特に何の観察が好きなんだ?」

「それはもう、我が愛妹の観察だよ」


 こいつ、聞かれて平然と言い切りやがった。

 そしてラナークは少し背筋が寒かったのかぶるっと震えていた。

 無意識に身体が危険を察知しているようだが、当の ラナーク《本人》は何にもわかっていないようだった。

 

「精霊って姉妹とかってあるの?」

「あぁ、これはミリアが言っているだけだから気にするな」


 実際、精霊には姉妹という概念はない。

 精霊とは自然の中で生まれる存在なので、大地から生まれている面では姉妹と言えなくもない。

 彼らにその概念はない。

 だが、姉妹のように仲が良ければ、姉妹として過ごす場合も少なくないそうだ。


「私はセリス、主に……そうですねこの精霊の中では参謀というべきでしょうか?」


 僕を見て不安そうな顔をして言う彼女。

 もっと自信を持っていいと思うのだが。


「あぁ、こいつは僕らの参謀で、面倒見のいい奴だ」

「そ、そこまでは……」


 実際彼女の能力も含め、多くの冒険で助けられたのは事実だ。

 それに面倒見がよく、自分から彼女達の面倒をかって出るほどだ。

 最後にミューリに視線が行った。


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