天使対策編

守りたい者達

「ご主人、そろそろ帰りましょ?」


 ラナークが声を掛けてきた。

 辺りは夕焼けに染まり、草原や花も夕焼けに照らされて色を変える。

 皆、僕の方を見ていた。

 夕焼けに照らされた彼女達を見て思ってしまった。

 守りたいと……。

 エレナやノウェム……自身の大切なものは全て守りたい。

 世界?

 天使?

 そんなものは関係ない。

 こいつらは僕の家族でかけがえのない者達だ。

 例え世界が僕達を敵とするならば、僕は全力で守る。

 世界の反逆者と罵られようと構わない。

 それで彼女が救えるのなら地獄にだって行ってやる。

 

「ならお前ら、僕といて幸せか?」


 そう言うと、ラナークを含めた全員が呆れたような顔をする。


「ヘタレの上に馬鹿ですね」

「えぇ、そうね」

「む~」

「馬鹿じゃないの」

「うん、馬鹿だね~」


 皆そこまで言わなくても……一応僕、君達の契約者だからね。

 そんなことを思いながら共に旅をした精霊たちを見つめる。


はわかんないけど、私達はご主人といて幸せに決まってるじゃないですか!!」

「そうそう、皆貴方と居たいから契約したしここまで付いてきたのよ?」


 ミリアの言葉に他の子たちは頷く。

 何を考えていたのだろうか。

 もしかすると心がふさぎ込んでいたのかもしれない。

 

「そうか」

「もしかして、私達と居たくないんですか」

「そ、そうなの?」


 ラナークとレティーが悲しそうな顔でこちらを見てくる。


「そんなことあるもんか」

 

 そう言って二人を撫でた。















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